JRA【フィリーズレビュー(G2)予想】武豊×マイシンフォニーは用なし! 好配当の匂いプンプンの混戦から激走必至の穴馬をピックアップ

 今回はもうひとつの桜花賞トライアル、フィリーズレビュー(G2)を予想していく。元々はこちらが本家のトライアルレースだったのだが、チューリップ賞(G2)の創設ですっかり影が薄くなってしまい本番との関連性も失われた。謂わば「格付け」だけのG2戦だ。

今回も過去10年馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。
阪神JF 9頭
クイーンC 2頭
オープン特別 4頭
条件特別(1勝クラス) 10頭
条件戦(1勝クラス) 3頭
朝日杯FS、未勝利戦 各1頭
G2格付けだけあって、前走G1からの臨戦が多い。前走・阪神JF(G1)以外のほとんどは条件戦勝ち上がりか、オープン特別で賞金加算に失敗した馬ばかり。やはり権利取りが狙いと言えよう。

続いて人気順の成績を見てみる。
1番人気 2-2-0-6
2番人気 2-3-2-3
3番人気 2-0-0-8
4~6番人気 1-1-4-24
7~9番人気 3-2-1-24
10番人気以下 1-1-3-79
となっている。数字だけ見ると上位人気がアテにしづらい。特に3番人気の成績は酷い。かと言って4~6番人気の中穴すら数字も率も買えたものではなく、穴馬が跳梁跋扈するレースと言えよう。近5年に絞ると2番人気は4連対とかなり信頼できる成績を残している。


 これを踏まえて「◎」は6番アネゴハダとする。

 前走は今回と同コースで行われた条件戦。終始前目で競馬をし、直線で抜け出して後続を抑え勝利している。

 この馬は新馬戦を順当に勝ち上がって、2走目の小倉2歳S(G3)では3着に好走。秋のファンタジーS(G3)でも着順以上に着差は付いたが5着と健闘しているなど元々地力がある。さすがに阪神JFでは通用しなかったが、前走の勝ち上がりはある意味順当とも言える。

 実績ならこのメンバーに入れば上位。桜花賞(G1)への出走ももちろんだが、今後に向けての賞金加算も視野に入れた挑戦だろう。ここでメイチの仕上げをしてくると見て本命に推す。


 続く「○」は10番キミワクイーンを挙げる。

 前走は阪神JF。終始前を見る位置取りで進めたが、直線で力尽きて10着に大敗。

 もっとも、新馬戦を勝ち上がり、2戦目の新潟2歳S(G3)こそ6着と良いところがなかったが、続く自己条件戦も勝っているので格上挑戦というわけではない。さらに言えば、この条件戦で負かしたオタルエバーは新潟2歳Sの3着馬で、この一戦のあと条件特別を勝ち上がるなど、レースレベルは高かった。

 挙げた2勝は、いずれも1400m戦。逆に負けたのが両方ともマイル戦と、距離適性が現時点ではっきりしている。陣営もこの距離がベストとして、成長分も含めて期待をかけているようだ。そこそこ人気しそうだが、押さえておきたい。


「▲」は14番ウィリンを推す。

 前走は紅梅S(L)。4番手からの競馬で、前残りの展開から直線よく粘ったが、勝ち馬の切れ味に屈し、逃げた馬も捉えられず3着となった。

 この馬は前走がまだ2戦目で格付け自体は1勝クラス。ただ、7月の福島1200mで戦った新馬戦では後続を7馬身ちぎる圧勝劇を演じている。前走はそこからプラス10kgとやや重め残りだったのは否めず、それが少なからず影響したとも考えられる。

 今回はコースこそ替わるが同じ1400m戦。陣営も叩き2戦目ということで仕上がりにも自信を持っているようである。重賞ではあるが、メンバーが手薄なのでこの馬のポテンシャルなら勝ち負けがあってもおかしくない。

「△」は2番ナムラクレア、4番サブライムアンセム、8番テイエムスパーダの3頭。

 ナムラクレアは前走阪神JFで5着と掲示板を確保。2走前のファンタジーSで2着、3走前の小倉2歳Sで勝利するなど、実績ではメンバー中最上位。距離にも不安はなく、本来ならここを大楽勝して本番へ向かいたいところ。

 ただ、現時点で桜花賞に向けてすでに賞金は足りているので、ここでメイチの仕上げをする必要はなく、あくまでも本番を睨んだ叩きの一戦となるはず。そう考えると、ここでポカすることも考えられるので印を下げた。

 サブライムアンセムは前走未勝利戦。1番人気を背負って危なげない競馬で勝ち上がりを決めた。

 勝ち上がるまでに6戦を要するなど勝ち味に遅い馬で、3戦連続2着などもある。ただ、前走は直線で不利があったにも関わらずきっちり勝利したあたり、非凡な馬であることは確か。不安点を挙げればその3戦連続2着がすべて1400m戦で、勝ったのがマイル戦ということか。

 1400mではなくマイルが適距離で、ここでは少し短いということで脚を余す可能性がないとは言い切れない。陣営としてはメンバーが手薄ということで、敢えての格上出走に踏み切ったようだが、上述の通り勝ち味に遅かっただけで実力自体は見劣りするようなものではない。距離不安だけが気になるので、「△」までとした。

 テイエムスパーダは前走あざみ賞(1勝クラス)。番手から直線抜け出して3馬身差を付ける圧勝だった。

 この馬はキャリア3戦で、新馬戦を勝ち上がった後の2戦目がフェニックス賞(OP)で、逃げたもののナムラクレアにゴール前差されて2着に敗れた。それ以来の3戦目が前走ということで、休み明けながらきっちり仕上がっていた。

 速い時計にも対応できそうなのだが、この馬の場合は3戦とも1200m戦ということで、1400mとなる今回は距離不安がある。走ってしまえば1ハロンの延長なので、案外簡単にクリアする可能性は当然あるのだが、スプリント戦向きであれば大敗の可能性もある。ここを勘案して押さえまでとした。

 人気どころでは3番マイシンフォニーを切り。

 前走は未勝利戦で、休み明け初戦ではあったが好位から抜け出す競馬で、後続を断ち切って勝利した。

 未勝利勝ち上がりまで4戦を要するなど、こちらも勝ち味に遅い馬。ポテンシャルも相応に秘めているのだろうが、ここで切る理由はそこではなく距離の問題。これまで4戦しているが、マイルを2戦してともに4着。残り2戦は1800m戦でともに連対している。

 これほどわかりやすく距離適性が出ている以上、ベストであろう1800m戦から2ハロンも短くなる今回はさすがに用なしだろう。短距離向きではなく、むしろオークス(G1)あたりを意識すべきかと感じる。陣営は良馬場で走れることと、素質の部分を高く評価しており、1400m戦はレースの組み立てがしやすいと強気の姿勢だが……。

 デビュー戦から2走前まで馬場が悪い状況で走らされていたのは確かだが、それでも稍重の1800m戦で2着する一方、同じ稍重のマイル戦で4着に敗れているので、馬場のせいではないと見る。

 ということで、今回は2番、4番、6番、8番、10番、14番の6頭で3連複BOX20点勝負とする。

 極端な穴馬はいないが、テイエムスパーダやウィリンあたりが激走すればあるいは好配当も狙える。

(文=トーラス神田)

<著者プロフィール>
オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。

 

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