JRA【阪神大賞典(G2)展望】有馬記念2着ディープボンド威風堂々の登場! 昨年5馬身圧勝の大本命に「3連覇」ゴールドシップ産駒新星が挑む

 20日、阪神競馬場では阪神大賞典(G2)が行われる。今年の天皇賞・春(G1)も阪神コースで実施されるだけに、前哨戦と本番が直結する可能性は例年以上に高い。注目の一戦を早速展望していこう。

 重賞3勝の実績馬、ディープボンド(牡5歳、栗東・大久保龍志厩舎)が悲願のG1制覇へ、22年の始動戦を迎える。

 1年前の当レースはアリストテレス、ユーキャンスマイルに次ぐ3番人気だったディープボンド。有力各馬が重馬場に苦しむ中、好位を追走して直線早めに抜け出すと、後続に5馬身差をつける圧勝を収めた。

 その後は天皇賞・春で1番人気に支持されたが、ワールドプレミアにゴール寸前で交わされ2着。夏を休養に充て、秋は凱旋門賞(G1)に挑戦した。

 前哨戦のフォワ賞(G2)ではC.デムーロ騎手が騎乗。6頭立ての5番人気という低評価だったが、見事な逃げ切り勝ち。本番でも好走が期待されたが、重すぎる馬場に泣き、最下位の14着に沈んだ。

 凱旋門賞のダメージが心配された帰国初戦の有馬記念(G1)は、5番人気とはいえ、単勝オッズは20.9倍という伏兵評価に甘んじた。ところが、陣営の必死の立て直しが実り、結果はエフフォーリアから3/4馬身差の2着。改めて地力の高さを証明する形で、4歳シーズンを締めくくっている。

 昨年と同じ阪神大賞典から天皇賞・春というローテーションで臨む5歳春。前哨戦とはいえ3000mなら、負けるわけにはいかないだろう。重賞4勝目を飾り、本番では主役を張れるか。

 実績では抜けた存在のディープボンドに対抗するのは、ステイゴールドの血を引く3頭である。

マカオンドール

 1頭目はマカオンドール(牡4歳、栗東・今野貞一厩舎)だ。その父はステイゴールドの直仔として現役時代に無尽蔵のスタミナを誇り、G1を6勝したゴールドシップである。阪神大賞典は13~15年に3連覇したレースだった。

 同じ芦毛のこの馬も長距離路線でその才能を開花しようとしている。3歳秋には古馬に交じって2勝クラスで足踏みが続いたが、距離を延ばしつつパフォーマンスも徐々に向上。2走前に2600mの江坂特別(2勝クラス)を突破すると、前走は格上の万葉S(OP)で見事1番人気に応えた。

 前走は52kgという軽ハンデが味方したのも事実だが、4歳を迎えた今がまさに伸び盛り。京都新聞杯(G2)以来となる重賞挑戦で通用する力を持っているのか、試金石の一戦といっていいだろう。

 そんなマカオンドールと同じく祖父がステイゴールドのアイアンバローズ(牡5歳、栗東・上村洋行厩舎)は、父が三冠馬のオルフェーヴルだ。

 やや晩成傾向のオルフェーヴル産駒らしく、本格化したのは4歳になってから。昨年4~5月に2勝クラスと3勝クラスを連勝し、オープン入りを果たすと、夏を休養に充て飛躍を誓った。

 秋は京都大賞典(G2)から始動し、3番人気に推されたが12着に大敗。さらにアルゼンチン共和国杯(G2)でも6着と春の勢いは影を潜めていた。

 重賞レベルでは頭打ちかと思われたが、前走のステイヤーズS(G2)で一気に距離を延長。これが功を奏し、初の3000m超えとなる長距離戦で、逃げの手を打つとディバインフォースの2着に粘り込んだ。

 ライバルのディープボンドとはこれまで2度対戦し、いずれも後塵を拝している。三度目の正直で大本命を破り、天皇賞・春に向かうことはできるか。

 3頭目のステイゴールド血統は、アイアンバローズと同じく父にオルフェーヴルを持つシルヴァーソニック(牡6歳、栗東・池江泰寿厩舎)だ。

 半兄には皐月賞馬のキャプテントゥーレがいる筋金入りの血統馬で、この馬も高い長距離適性を見せている。これまで3000m以上のレースは3回走り、すべて3着という安定感を誇る。

 懸念材料は鞍上を務める川田将雅騎手か。実は3000m以上の長距離重賞はあまり得意ではなく、ビッグウィークで挙げた10年の菊花賞(G1)が唯一の勝利。通算成績は38戦1勝と苦戦している。もちろん阪神大賞典でも勝利はない。

 2年前の当レースで2着に好走したトーセンカンビーナ(牡6歳、美浦・加藤征弘厩舎)。スランプを経て、近2走は復活の兆しを見せており、2年前の再現を狙う。

 他には、2年前の覇者で、重賞3勝のユーキャンスマイル(牡7歳、栗東・友道康夫厩舎)、同2勝のダンビュライト(セ8歳、栗東・音無秀孝厩舎)の古豪2頭も侮れない存在だ。

 前評判通りディープボンドの1強となるのか、それともステイゴールドの血を引く馬たちの激走はあるのか。はたまた古豪の復活はあるのか。阪神大賞典は20日15時35分に発走予定となっている。

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