JRA岩田康誠「炎上騒ぎ」も好感度は爆上がり!? 関係者が明かした意外な一面も…不器用過ぎた名手を支持する声が急増

岩田康誠騎手 撮影:Ruriko.I

 19日の若葉S(L)をデシエルトで勝利した岩田康誠騎手だが、その後の勝利騎手インタビューで、歯に衣着せぬ発言に見ている側はハラハラするシーンもあり、インタビュアーと息の合わないやり取りが話題となった。

 そのような経緯から、次の機会を心配する声も出ていた中、岩田康騎手は、翌日のスプリングS(G2)もビーアストニッシドでも勝利した。2日連続で行われた勝利騎手インタビューでは、前日の対応が話題になっている事を受けて「炎上の岩田です」と、自虐ネタを披露。レース内容や勝ち馬よりもインタビューが大きな注目を集めた。

 ネットの掲示板やSNSなどではこの件に対し、様々な意見が飛び交った。実直な言葉を岩田康騎手らしいと評価する声もあれば、一部ファンからは、受け答えの態度が望ましいものではないといった意見も見受けられた。

 その一方で、岩田康騎手の意外な一面を披露したのが、発端となった若葉S後の勝利騎手インタビューを担当したKBS京都の元同僚である木村寿伸アナウンサーだ。同アナは自身のブログで、同レースの勝利騎手インタビューが終わった後、同騎手がインタビュアーに対して「つっかかって悪かった」と謝罪があった事を明かしている。

 岩田康騎手は今年1月に行われた根岸S(G3)勝利後のインタビューでも、インタビュアーの「悲願の重賞勝利」というフレーズに対して、「悲願ではないです」と訂正するシーンもあった。

 それ以外にも、本人も反省している藤懸貴志騎手への「粗暴な行為、発言」でも問題視された過去もあり風当たりが強くなっている状況下。何気ない言葉のつもりでも、先入観から好意的な解釈をされにくい背景も関係していただろう。

 ただ、こういった気遣いも見せていたことを考えると、岩田康騎手も別に攻撃的な意図があった訳ではなく、自身の想いをただ一生懸命に伝えようとしただけだったようにも感じられる。

「テレビなどメディアに出る機会が多く、日頃から取材に慣れている武豊騎手や福永祐一騎手とは対照的に、岩田康騎手は普段のインタビューや対談なども苦手にしているような印象があります。今回はそれに加えて、レース後の興奮状態での受け答えだった事もあり、少し語気が強くなってしまったのでしょう」(競馬誌ライター)

 また、そういった事情を察してか、岩田康騎手の不器用な対応や不手際は認めつつも、むしろ馬や競馬に対する誠実な姿勢を改めて感じたという競馬関係者やファンの意見も多く見られた。

 実際、結果的に“炎上”騒ぎの発端となったインタビューを振り返ってみても、岩田康騎手の回答自体は間違ったことは言っていない。受け手によっては分かりづらい部分もあっただろうが、騎乗馬への期待や競馬への熱意など、自身の想いを真っすぐ言葉にした「岩田流」の表現ともいえる。

 近年は新規の競馬ファンが増えている時代だけに、誰にも分かりやすい受け答えをするジョッキーを好むファンが多いかもしれない。

 ただ、岩田康騎手のような職人気質で熱い想いが伝わってくる騎手がいるのも悪くないだろうと改めて感じさせられた一件であった。

(文=椎名佳祐)

<著者プロフィール>
 ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。

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