JRA日経賞(G2)昨年不利で大敗の「中山巧者」が雪辱を期す!? 意外な中堅騎手がゴールドシップ産駒と相性抜群!?

ウインキートス

 26日、中山競馬場では日経賞(G2)が行われる。1984年に現在の時期に施行されるようになって以降、天皇賞・春(G1)への重要な前哨戦に位置付けられている。近年ではフェノーメノやワールドプレミアが、日経賞をステップに春の大舞台を制している。

 舞台となる中山・芝2500mは有馬記念(G1)も行われるコース。コーナー途中でのスタート地点や2度の坂越えなどトリッキーな要素が多いコース形態である。非根幹距離ということも相まってコース適性が求められるだけに、予想においても「コース巧者」を積極的に狙っていきたい。

 そこで注目したいのがウインキートス(牝5歳、美浦・宗像義忠厩舎)である。同馬はキャリア20戦の半数以上に及ぶ11戦が中山競馬場での出走であり、その成績も「2-5-1-3」と好成績。また非根幹距離での成績が「5-4-1-5」となっており、60%という驚異的な連対率をマークしている。過去の戦績から考えるに、今回の舞台への適性は高そうだ。

 実はウインキートスは昨年の日経賞にも出走している。中団内側に位置を取り順調にレースを進めていたが、2周目3角で他の馬に寄られた際にラチに激突。この不利が響き結果は15着と最下位の大敗を喫してしまった。その次走に目黒記念(G2)を制覇しており、重賞で通用する力は示している。ここで昨年の雪辱を果たし、いい形で大舞台へ向かいたい。

 鞍上には主戦を務める丹内祐次騎手が今回も起用される。実は丹内騎手はゴールドシップ産駒との相性が良く、通算での複勝率が32%となっている。今年に限ると同産駒に21回騎乗し「4-5-2-10」、複勝率は52.4%、複勝回収値は185%と抜群の成績だ。

 丹内騎手自身も今年は既に12勝を挙げ、先週時点でリーディング23位と好調。ゴールドシップ産駒であるウインキートスにとって、丹内騎手の継続騎乗は非常に心強い。

 また、丹内騎手といえばマイネル軍団の「お抱え騎手」として知られており、傘下のビッグレッドファームで繋養されるステイゴールドやその息子で「ゴールドシップ産駒」への騎乗数も多い。ステイゴールド一族は気性の難しさがあることで有名だが、一族の馬に数多く跨ってきた経験が、ゴールドシップ産駒での好成績に繋がっているのかもしれない。

 ウインキートスを所有するウインレーシングクラブも元々はマイネル軍団の一員。現在は業務提携を解消し傘下からは外れているが、丹内騎手とは引き続き蜜月の関係が続いている。

 昨年「ウイン」の馬に最も多く騎乗したのは丹内騎手で、その数は50回。次いで多い横山武史騎手が28回であることから、丹内騎手の騎乗数は群を抜いている。このことから「ウイン」の丹内騎手への厚い信頼が伺える。

 クラブの「エース騎手」を背に日経賞に挑むウインキートス。相性抜群の黄金コンビで昨年の「忘れ物」を取りに行く。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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