アウトライアーズが牡馬クラシックの勢力図を塗り替える!?「遅れてきた大物」の真の実力は?
昨年11月に東京競馬場で行われた百日草特別(500万下)。この時期には数少ない2000mの条件戦とあって、例年クラシックを見据える素質馬が集う一戦だが、昨年は特に”濃い”メンツが集まった。
最後の直線で中団から鋭く抜け出し、このレースを制したのはアドマイヤミヤビ。後のクイーンC(G3)の覇者だ。また後方から上がり最速で2着に食い込んだのが、後に京都2歳S(G3)と弥生賞(G2)連勝するカデナ。
そして、それらから3/4馬身+ハナ差の3着となったのが、19日のスプリングS(G2)に登場するアウトライアーズ(牡3歳、美浦・小島茂之厩舎)である。
それだけでもこの馬の重賞級の能力を示すには十分と思われるが、さらに特筆すべきは単勝1.6倍の圧倒的人気に応えて2勝目を上げた、前走のひいらぎ賞(500万下)だ。
中山のマイル戦で行われたレースで、アウトライアーズはスタートから出負けして最後方からの競馬を強いられている。そのまま後方外目で折り合い、勝負所の3、4コーナーで進出を開始するも、結果的にコーナーで大きく外に膨らみ大外を通らされている。主戦の田辺裕信騎手にとっても、決して褒められた騎乗ではなかった。だが、それでも上がり最速の末脚で、最後は2着に1馬身半差をつけて完勝している。
このことからも、ひいらぎ賞の出走メンバーの中でアウトライアーズは1枚も2枚も上手であったといえる。だが、このメンバーも実はなかなか骨のある馬たちだ。
2着のウインブライトは単勝1.9倍に推された次走の若竹賞(500万下)をあっさりと勝ち上がり、3着のナイトバナレットに至ってはジュニアC(OP)を勝利している。さらに4着のエトルディーニュが共同通信杯(G3)で2着、5着のジュニエーブルでさえ京成杯(G3)の4着馬だ。
つまり彼らは皆、「戦った相手」が悪かっただけということだ。