アウトライアーズが牡馬クラシックの勢力図を塗り替える!?「遅れてきた大物」の真の実力は?
さらに敗れた百日草特別にしても、アウトライアーズにとってはスタートから複数の馬に外から煽り気味に被せられる苦しい展開だった。それらの先行馬たちと一緒に行きたがったアウトライアーズを抑えるために田辺騎手は手綱を引いて、結果的にポジションを下げている。それは百日草特別の[3-7-6]という通過順位を見れば明らかだ。
そのために内で閉じ込められたアウトライアーズは、最後の直線で荒れた内側の馬場を通るしか選択肢がなかった。そこから懸命に脚を伸ばして一度は先頭立ったものの、アドマイヤミヤビの強襲に遭い、最終的にはカデナにもハナ差だけ交わされている。
さらに述べるのなら、2着に敗れたカデナはこれが敗戦だったという前提もあるが、勝った京都2歳Sや弥生賞よりも最後までしっかりと追われた競馬をしている。さらに勝ったアドマイヤミヤビも、次走のクイーンC(G3)の方が明らかに楽な手応えでレースを終えているように見えた。
つまり、アドマイヤミヤビもカデナもこの馬を負かすために、この時点でのMAXに近いポテンシャルを発揮しているということだ。
率直に述べて百日草特別の上位3頭は明らかに他のメンバーよりも力が上であったし、ほぼ互角の勝負だったといえる。
現状アウトライアーズは「百日草特別でアドマイヤミヤビとカデナに敗れたが、いい勝負をした馬」という位置づけであるが、この評価が後々逆転したとしても驚けない能力の持ち主だ。
無論、2歳王者のサトノアレスにしても決して油断ならない相手であり、アウトライアーズは「遅れてきた大物」と呼ぶに相応しい存在である。