JRA高松宮記念(G1)メイケイエール、グレナディアガーズに隠れた最強4歳世代の刺客!? 「4連勝」で重賞制覇の大器が前走大敗で評価急落……雨を味方に激走狙う

 27日、中京競馬場では高松宮記念(G1)が行われる。待ちに待った春のG1シーズン到来ということで、競馬ファンの心は熱く燃えているところであるが、一方で週末の中京競馬場は冷たい雨模様。日曜日は天候が回復しある程度馬場の回復は見込まれるが、3年連続で雨の影響が残る中での高松宮記念となりそうだ。

 道悪での実施となれば、馬券を検討する際にも「道悪巧者」を狙いたいところ。そこで今回注目したいのがレイハリア(牝4歳、美浦・田島俊明厩舎)である。

 レイハリアは昨年春、デビュー5戦目にダート戦で初勝利を挙げると、その後は芝短距離戦線で活躍。雪うさぎ賞(3歳・1勝クラス)、葵S(重賞)、キーンランドC(G3)と立て続けに勝利し、重賞2勝を含む4連勝を成し遂げた。

 驚くことに、この4連勝はいずれも条件が異なる中での勝利だった。初勝利はダート戦、雪うさぎ賞は芝の重馬場、葵Sは芝の良馬場、キーンランドCは洋芝の良馬場、右回りも左回りも経験しており、あらゆる条件で結果を残している。「馬場不問」で好走可能な適応能力は、道悪が予想される高松宮記念でも強みになるはずだ。

 飛ぶ鳥を落とす勢いで連勝を重ねたレイハリアであったが、前走の京阪杯(G3)で遂に連勝が途絶えてしまう。それどころか16着のシンガリ負けであり、それ以来の出走となる今回は伏兵の一角に留まっている。

 しかし、前走の大敗には情状酌量の余地がある。

 レイハリアはスタートの良さを生かした積極的なレース運びが持ち味であるが、前走の枠は8枠15番。京阪杯が行われる阪神1200mはスタートから3角までの距離が243mと短く、先行争いが激しいコース。レイハリアは番手に控える形になってしまい、4角で他馬に外から被せられると走る気を無くしたのか、ズルズルと後退してしまった。

 今回は3枠5番の好枠。今年の高松宮記念はビアンフェやモズスーパーフレアのように徹底して逃げを打つ馬が不在。逃げを狙いそうなファストフォースが7枠に収まったこともあり、レイハリアが得意のスタートダッシュを決めて先頭に立つ展開も十分に考えられる。得意のスタイルで力を発揮することができれば、G1の強いメンバー相手でも十分に戦えるはずだ。

 現4歳世代、とりわけマイル・短距離路線を歩んだ馬たちはハイレベルで、昨年も古馬混合重賞で多くの馬が活躍した。今年の高松宮記念は3頭の4歳馬が出走、メイケイエール、グレナディアガーズは上位人気の一角に支持されているが、一方でレイハリアは伏兵評価である。2頭の陰に隠れてはいるが、1200mでの実績ならばレイハリアも負けてはいない。

 あらゆる条件で結果を残してきた「オールラウンダー」であるレイハリア。雨でタフになった馬場に他馬が苦戦するようなら、この馬にも勝機は十分にあるはずだ。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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