JRA川田将雅×友道康夫×金子真人氏「2億4000万円馬」が背水の陣!? マカヒキ以来の日本ダービー(G1)制覇へ、世界的良血が勝負駆け!
2日に阪神競馬場で行われるアザレア賞(1勝クラス)に、アーティット(牡3、栗東・友道康夫厩舎)が出走を予定している。
同馬は、半姉に日本の桜花賞(G1)にあたるフランス1000ギニー(G1)など、仏2冠を制したラクレソニエールを持つ世界的良血馬。また父ディープインパクト×母父ガリレオの配合では、去年の英・愛オークスを制したスノーフォールがいるなど、壮大なスケールを感じさせる。2020年のセレクトセールで日本ダービー(G1)を歴代最多4勝している金子真人オーナーが2億4000万円という高額で落札した事でも大きな注目を集めた。
同馬を管理するのは、金子オーナーと共にダービーを2回勝利している友道厩舎だ。さらに今回騎乗する川田将雅騎手を合わせた「金子・友道・川田」のコンビは2016年のダービー馬マカヒキを彷彿とさせる。
ただ、大きな期待を背負っている同馬だが、デビューからここまでは4戦1勝と物足りない成績となっている。今回2400m戦を使ってきた点や血統背景からもクラシックを意識している可能性は高く、賞金加算が必須の今回は負けられない戦いとなりそうだ。
今回出走するアザレア賞は、東京と阪神というコース形態の違いはあるものの、ダービーと同じ2400m戦(以前は2000mで行われていた時期もあり)という距離設定で、長距離適性が見込まれる馬が多く出走する貴重なレースとなっている。
しかし、これまでに同レースを勝ち上がった馬の中から、ダービー馬は1頭も出ていない。2017年にアドミラブルが同レース、青葉賞(G2)と連勝しダービーに駒を進めて以降、同レース勝ち馬はトライアルで権利を取ることすら出来ずにダービー出走の夢を絶たれている。
それでもあえてここに出てきたのには、友道師が「距離は問題ないし、むしろあっていい」と話すように2400mへの適性を見込んでのこと。また、今後のトライアル、ひいてはダービー出走に向けて、自己条件での確実な賞金加算を目論んでの事だろう。現在の『netkeiba.com』の単勝予想オッズでは1.6倍と圧倒的人気となっており、勝利は至上命題とも言えそうだが、逆にもしここで敗れるような事があれば、ダービー出走はかなり厳しいと言わざるを得ない。
ここまでは2億円超えの購入額に見合った活躍は見せられていない同馬だが、伝説のオーナーに5度目の美酒を届けることが出来るか。その足掛かりとなる一戦に注目したい。
(文=椎名佳祐)
<著者プロフィール>
ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。