JRA桜花賞(G1)武豊「次に向けては良い」をどう受け取るか!? 安藤勝己氏「次は行くと思う」も、ウォーターナビレラ「サプライズ」なリベンジも十分

ウォーターナビレラ 撮影:Ruriko.I

 10日、阪神競馬場で行われる3歳牝馬のクラシック・桜花賞(G1)。高松宮記念、大阪杯と波乱が続いた春G1だが、苦戦の続く1番人気の巻き返しはあるだろうか。

『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズだと、1番人気ナミュールと2番人気サークルオブライフが一歩リード。少し離された3番人気にウォーターナビレラがおり、上位3頭はいずれも前走でチューリップ賞(G2)を使われた組となっている。

 2018年からG2に昇格したこのレース。昇格以降に桜花賞馬が出現していないことは少々意外にも感じるものの、勝ち馬の顔触れは18年アーモンドアイ、19年グランアレグリア、20年デアリングタクト、21年ソダシと錚々たる面々だった。

 これに対し、今年はそこまで抜けた存在はいない。過去10年で5頭の桜花賞馬を輩出した好相性の前哨戦であることに異論はない。そろそろ大本命のトライアルから勝ち馬が出て来そうな頃合いだが、注目したいのは武豊騎手が騎乗を予定しているウォーターナビレラ(牝3、栗東・武幸四郎厩舎)だ。

 前走のチューリップ賞は、積極策を採っていたこれまでと違い、一列二列後ろのポジションでの競馬を試みた。最後の直線で前にいたM.デムーロ騎手のサークルオブライフが邪魔になった影響もあって5着に敗れたものの、それなりに収穫のあるレースだった。

武豊騎手

「新しいレースをしましたが、問題なかったです。次に向けては良いレースができました」

 それは、レース後に前向きなコメントを残した武豊騎手の言葉からも伝わってくる。元JRA騎手の安藤勝己氏は、自身のTwitterで「次は行くと思う」と本番の作戦を予想していたようだが、武豊騎手の最終的な選択がどうなるのかはレースが始まってみたいと分からない。

 そこでひとつ気になったのは、ウォーターナビレラに切れる脚がないかというと、実はそうでもないという推測である。

 一般的に「ジリ脚」といわれるタイプの馬は、前にいても後ろにいても同じような脚しか使えないため、それなら前々で……というケースが多い。ただ、ウォーターナビレラに関しては、ここまでのキャリア5戦ですべて34秒台以下の末脚を使っている。2戦目のサフラン賞(1勝クラス)では、上がり3ハロン最速タイ33秒6を披露していた。

 となると、武豊騎手の「新しいレース」という言葉には「行かないとダメ」より「控えても問題ない」という意味にも受け取れないだろうか。

 JRA最多5勝を誇る桜花賞男の過去の勝利を振り返ると、二冠馬ベガ以外は差す競馬で挙げたもの。近年は07年アストンマーチャン、13年クロフネサプライズ、20年レシステンシアとのコンビで積極策を試みたものの、いずれも勝利には届かなかった。

 こういった経験もしていたなら、前走の経験は本番で使える脚を測る意味では、十分な成果があったといえるのではないか。

 原点回帰の積極策を採るのか、それとも前走同様に控える競馬をするのか、大阪杯(G1)で存在感を見せたレジェンドの秘策に注目したい。

(文=黒井零)

<著者プロフィール>
 1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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