JRA桜花賞(G1)「サークルオブライフと双璧」安藤勝己氏も絶賛! プレサージュリフトに引けを取らない素質馬が絶好調男を背に勝負駆け⁉
10日に阪神競馬場で桜花賞(G1)が行われる。
人気を集めそうなのは、前哨戦のチューリップ賞(G2)を快勝したナミュールと、昨年の阪神JF(G1)を制した2歳女王サークルオブライフだ。
ただ、ナミュールは鞍上の横山武史騎手が2週連続G1で1番人気に騎乗して大敗しており、リズムの悪さが気になるところ。一方のサークルオブライフもチューリップ賞では前哨戦用の走りだったとはいえ伏兵馬ピンハイの後塵を拝した。積極策での競馬を試したが、手応えはもうひとつ。本番では後方待機策に戻す可能性も高い。人気2頭の実力は確かではあるものの、過信は禁物といった状況だ。
そこで注目したいのがクイーンC(G3)3着から本番へ挑むベルクレスタ(牝3歳、栗東・須貝尚介厩舎)だ。
同馬は昨年10月に行われたアルテミスS(G3)のレース後、アンカツことJRA元騎手の安藤勝己氏が自身のTwitterで、「今日の雰囲気でここまで走るかって感じ。素質は勝ち馬と双璧」と高く評価した。この時の勝ち馬は、後の2歳女王サークルオブライフ。桜花賞でも本命候補とされる馬と同等の素質があると言わしめたのが、この時2着だったベルクレスタだ。
ベルクレスタの姉は、幻のダービー馬と言われたシルバーステートに現役時代唯一土を付けたアドマイヤリード。同馬は2017年に、桜花賞と同じマイルのヴィクトリアマイル(G1)を制しており、その半妹となるベルクレスタもデビュー当初からマイルへの適性の高さを評価されていた。桜花賞後からオークスを見据える馬も多い中、血統的に大幅な距離延長は歓迎ではないだけに、マイル戦のここは勝負駆けとなりそうだ。
近走の戦績を見ても、アルテミスSはサークルオブライフとタイム差なしの2着。続く阪神JFでは不利な16番枠、さらに枠の不利をカバーしようと、本来の溜める競馬ではなく早めに仕掛けていった事が裏目に出てしまったと鞍上の松山弘平騎手は振り返った。
そして前走のクイーンCでは、豪快な末脚で差し切り勝ちを収めたプレサージュリフトの上がり3ハロンのタイムをさらに上回る最速の上りを繰り出したが惜しくも3着。当日は先行馬有利の馬場コンディションで、スローペースだったことを考えると、上位人気が想定されるプレサージュリフトと人気ほどの差はないと言えるだろう。
また、負傷した主戦の松山騎手に替わって今回騎乗するのは、先週の大阪杯(G1)でポタジェに騎乗し金星を上げた吉田隼人騎手だ。同騎手と須貝厩舎と言えば昨年の桜花賞を勝利したソダシの印象が強い。
ただ、他厩舎の成績と比べて元々須貝厩舎とのコンビでは全厩舎の中でもトップクラスの勝率を誇っている相性の良いコンビなのだ。
『netkeiba.com』の単勝予想オッズでは現在11番人気となっており、馬券妙味は十分だろう。主戦の負傷による代役とはいえ、これまでソダシやステラヴェローチェなど期待馬の手綱を任せてきた吉田隼騎手の代打起用には、並々ならぬ勝負の気配を感じる。
(文=椎名佳祐)
<著者プロフィール>
ディープインパクトの菊花賞を現地観戦し競馬にのめり込む。馬券はアドマイヤジャパン単勝勝負で直線は卒倒した。平日は地方、週末は中央競馬と競馬漬けの日々を送る。