JRA「しばらく顔も見ていない」武豊×幸四郎兄弟の“疎遠”露呈!? 桜花賞(G1)ウォーターナビレラで今年「絶不調」弟を救えるか

ウォーターナビレラ 撮影:Ruriko.I

 10日、阪神競馬場では牝馬クラシック第1弾の桜花賞(G1)が行われる。

 7日には枠順が確定し、1~2番人気が予想されるナミュールとサークルオブライフはそろって8枠に入った。スタートに課題を抱えるナミュールは、大外18番枠。距離ロスを差し引いても、この枠はプラスに働きそうだ。一方のサークルオブライフは、管理する国枝栄調教師が「仕方ない」とコメントしたように、16番枠は割引材料といえるだろう。

 そんななか、『netkeiba.com』の予想オッズで3番人気に推されているウォーターナビレラ(牝3歳、栗東・武幸四郎厩舎)は、絶好枠の3枠6番を引き当てた。

「これまでの競馬を見ても分かる通り、一瞬の切れ味では“2強”に劣りますからね。内すぎず、かつ偶数番という、これ以上ない枠だと思います。

鞍上の武豊騎手は、枠順確定前の共同会見で『枠順とか他の馬の出方で、戦法はいろいろある』と話していましたが、この枠と並びなら逃げ宣言をしている(2枠4番の)パーソナルハイを見ながら好位3~4番手にはつけていくのではないでしょうか。前走の反省もありますしね」(競馬記者)

 記者が話した前走とはチューリップ賞(G2)のこと。好スタートを決めたウォーターナビレラはいったんハナに立ったものの、あえて控える競馬を試した。ところが直線で進路をなくし、追い出しのタイミングが遅れると、不完全燃焼の5着に終わった。

「それまで馬込みでレースをしたことがなかったため、前走はあえて馬群の中で競馬をさせたようですね。

水曜日の共同会見で武騎手は『馬も全く戸惑うことなく、問題がなかった』と話していましたが、馬込みでも競馬ができることが分かったのは大きな収穫だと思います。それでも前走の失敗を踏まえ、前目からより積極的に動いて行くのではないでしょうか。ただ、その会見で武騎手から少し気になる発言もありました」(同)

 桜花賞の共同会見において、弟でウォーターナビレラを管理する武幸四郎調教師から何か言葉があったかを問われた武騎手。「何もないですよ。逆に心配になるくらい連絡もないですね。しばらく顔も見ていない」と、おどけた表情ではあったが、そう記者の質問に答えた。

「会見は水曜日でしたから、枠順が決まってからしっかりと話し合うのだと思います。ただ偉大な兄が騎乗するので、乗り方は一任しているかもしれません。

それよりも武幸厩舎は今年勝ち鞍が伸び悩んでいます。嫌な流れを断ち切るためにも、兄とともにG1タイトルを獲りたいでしょうね」(同)

 開業2年目の19年に年間14勝を挙げた武幸厩舎。20年に28勝、21年には34勝と、右肩上がりで勝ち鞍を伸ばしている。ところが今年は4月第1週を終えて、まだ4勝。ペースにして、年間15~16勝というスランプに陥っている。

 開業5年目でぶち当たった壁。これを乗り越えるためにも、レースまでに兄としっかりコミュニケーションを取って結果を残したい。果たして武兄弟は、そろって表彰台に上ることはできるだろうか。

(文=中川大河)

<著者プロフィール>
 競馬ブーム真っただ中の1990年代前半に競馬に出会う。ダビスタの影響で血統好きだが、最近は追い切りとパドックを重視。

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