JRA皐月賞(G1)武豊「レースを壊す馬がいて…」恨み節こそ勝利のフラグ!? ドウデュース好走はM.デムーロが伏線、「春の嵐」勝ち馬条件も難なくクリア
今週末に牡馬クラシックの皐月賞(G1)が控えている中央競馬だが、今年の春は近年稀に見る波乱が続いている。
2017年から大阪杯がG2からG1へと昇格し、4週連続で行われるようになった春のG1開催。高松宮記念のレシステンシア(6着)、大阪杯のエフフォーリア(9着)、そして桜花賞のナミュール(10着)といった1番人気馬が悉く敗れた。
今年を含めて6年の間で7番人気以降の伏兵が3連勝したのは初のケース。混戦模様の皐月賞だけに、この「春の嵐」に巻き込まれる可能性は十分にある。
何といってもファンの注目は、武豊騎手がコンビを組むドウデュース(牡3、栗東・友道康夫厩舎)がどのような走りを見せるかだろう。『netkeiba.com』が公開している単勝予想オッズによると1番人気が濃厚。桜花賞(G1)でハナ差の2着に敗れた武豊騎手としても、力の入る一戦となる。
そんな武豊騎手とドウデュースのコンビにとって、強力な援護射撃となりそうなのが、実はこの波乱続きの傾向なのだ。
1番人気馬の連敗ばかりがクローズアップされているものの、人気を裏切った馬と穴を開けた馬にちょっとした「共通点」があったことにも触れておきたい。
一つ目は、高松宮記念のナランフレグ、大阪杯のポタジェ、桜花賞のスターズオンアースといった勝ち馬が前哨戦で敗れていたことだ。本番で巻き返しに成功した各馬は、敗戦の中でも次走の課題をしっかりと克服しての戴冠だった。
二つ目は、人気を背負った各馬が中間の調整や当日の馬体重などに不安を抱えていたことだ。直行で挑んだレシステンシアやエフフォーリアは、特にこの影響が大きかったのではないか。
三つ目は、前走を勝利した馬が敗れていること。馬券に絡んだのは高松宮記念2着のロータスランドと大阪杯3着のアリーヴォのみ。桜花賞は1頭も掲示板に載れなかった。
そう考えると前哨戦であるチューリップ賞(G2)で5着に敗れた際、武豊騎手から「次に向けていいレースだった」と前向きなコメントが出され、陣営が「過去一番」の仕上がりと自信を持っていたウォーターナビレラの好走も頷ける。
「春の嵐」勝ち馬条件も難なくクリア
そして、これは弥生賞ディープインパクト記念(G2)を2着に敗れたドウデュースにも当てはまる。武豊騎手はレース後に「トライアルとしてはいい内容だった」と前向きな評価。中間の状態にも陣営は「言うことがない」と状態に絶大な自信を隠さなかった。
これだけでも既にウォーターナビレラと似たような状況にあるといえるだろう。
また、偶然にも桜花賞と皐月賞それぞれの前哨戦で武豊騎手が苦戦を強いられた理由とM.デムーロ騎手が関係していたことにも注目したい。
チューリップ賞のウォーターナビレラは、前にいたデムーロ騎手のサークルオブライフが壁になる格好で脚を余し、武豊騎手曰く「ミルコの馬がモタモタして仕掛けが遅れた」敗戦だった。
さらに弥生賞のドウデュースは、勝負どころとなった3~4コーナーで外からマクったデムーロ騎手のロジハービンに影響を受け、このときにも「レースを壊す馬がいて……」と悔やんだように、どちらのレースでもデムーロ騎手への恨み節が出ていた。
とはいえ、敗れたことにより春のG1で人気を裏切った馬のパターンを回避し、勝ち馬の条件を難なくクリアできたのも事実。これがもしウォーターナビレラが桜花賞を好走した伏線となっていたなら、ドウデュースで挑む皐月賞にとっても勝利のフラグとなるかもしれない。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。