JRA皐月賞(G1)イクイノックス、ダノンベルーガ、デシエルトを「消せる」根拠!? 無敗馬3頭に立ちはだかる「76年」未勝利の壁

 7番人気の伏兵スターズオンアースが桜の女王となった桜花賞(G1)。今週は「最も速い馬が勝つ」といわれる皐月賞(G1)が行われる。

 2019年サートゥルナーリア、20年コントレイル、そして昨年のエフフォーリアと、3年連続で無敗の皐月賞馬が誕生した。今年出走を予定している無敗馬はイクイノックス、ダノンベルーガ、デシエルトの3頭。いずれもポテンシャルの高さを見せて連勝している実力馬だけに、4年連続の記録更新があったとしても不思議ではないだろう。

 その一方、無敗で皐月賞制覇に成功した過去の事例と事情が異なる点にも触れなければならない。

 なぜなら今年の無敗馬3頭には、偉大な先輩がクリアしてきた「経験値」の壁が立ちはだかるからである。

無敗馬3頭に立ちはだかる「76年」未勝利の壁

 何しろ2歳戦が実施されるようになった1946年以降、先述した通りキャリア2戦で皐月賞を優勝した事例はない。キャリア2戦以下の馬の好走例は、1993年シクレノンシェリフの3着のみ。2022年の今年から遡ると、2勝馬が勝てない歴史は「76年」も続いていることになる。

 全馬がクリアしていた条件として注目したいのは、皐月賞を迎えるまでのキャリアが3戦以上だったことと、「芝のレースを2戦以上」経験していたことだ。

 これに対し、イクイノックスとダノンベルーガは2戦2勝。デシエルトは3戦3勝とはいえ、前走の若葉S(L)が初めての芝。それでも優勝することが出来たなら、快挙となることは間違いないが、このハードルはあまりにも高く感じる。

 実は昨年の皐月賞にも2戦2勝のキャリアでグラティアスが挑んだものの、6着に敗れている。新馬、京成杯(G3)を連勝した重賞勝ち馬だけに、今年の2頭と実績的にそこまで大きな差はないかもしれない。

 イクイノックスは昨年の東京スポーツ杯2歳S(G2)から直行、ダノンベルーガ陣営が直前まで参戦の結論を先延ばしした理由を、体質的な弱さを理由としていることも大きな不安材料である。

 76年ともなれば、人間のほぼ一生ともいえる年数だ。長い敗戦の歴史を考えると、今年もまた繰り返される気がしてならない。

(文=高城陽)

<著者プロフィール>
 大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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