JRA皐月賞(G1)天栄場長が異例のYouTube出演! イクイノックス&ジオグリフの期待に「温度差」
11日、人気競馬予想家・水上学氏のYouTubeチャンネル『水上学のKEIBA大学』にてアップされた動画に、ノーザンファーム天栄で場長を務める木實谷雄太氏が出演した。
同氏は先週の桜花賞(G1)を考察した動画に続いての出演であり、今週は皐月賞(G1)に出走するイクイノックス、ジオグリフの有力馬2頭について語っている。
大手牧場の関係者が予想系のYouTubeチャンネルに出演するのは異例ともいえる。動画は水上氏の質問に対して木實谷氏が答える形で進行したが、鋭い質問に対しても木實谷氏は堂々と答えており、視聴者からも「為になる話だった」「ゲストが豪華すぎて笑った」などといった称賛のコメントが相次いだ。
明暗分かれた大物2頭の評価
詳細は動画をご覧いただきたいが、イクイノックスに関して、木實谷氏は概ね自信がありそうなコメントを残していた。異例の東京スポーツ杯2歳S(G2)からの直行ローテについて問われると「実戦を経験することで精神面の成長が見込める。繊細な部分が取り除けるように取り組んできた」とキャリア不足は調教でカバーできていることを強調。不安は無いということだろう。
新潟、東京で勝ち上がってきたイクイノックスにとって、皐月賞は初の右回り・小回り・2ターンでのレースになるが、これに関しても「馬具を工夫して臨む。普段からトレーニングをしているので、追い切りのVTRを見ていただければ」と対策を施していることを明かした。1週前と今週の追い切りVTRを見る限りでは、右回りでもスムーズにコーナリングしており、問題は無さそうだ。
一方で、ジオグリフに関しては「デビュー前から喉の不安があって距離の不安があった」と明かした。この結果、年末はホープフルS(G1)ではなく、距離の短い朝日杯FS(G1)を選択したようだ。
気になる喉鳴りの症状については「現状維持です」とのこと。「(喉鳴りの症状が)いつ表面化するかわからない、影響が出ないことを祈るのみ」と神頼みとも取れるコメントだった。これに加えてスタートに対しても不安があり、総体的にイクイノックスに対する期待感とは温度差を感じざるを得ない内容である。
血統面でも、ジオグリフの父ドレフォンは米国のダート短距離で実績を残した馬であり、2000mに対する距離不安は拭えない。喉鳴り、ゲート難も加味すると、実力はトップクラスでも過度な期待は禁物かもしれない。
先週の桜花賞では、まさかの掲示板内0頭に終わったノーザンファーム生産馬。天栄場長の手応えが明暗分かれた期待馬2頭だが、皐月賞ではどのような走りをみせるのか。ノーザンファーム勢の巻き返しに注目だ。
(文=エビせんべい佐藤)
<著者プロフィール>
98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。