昨年「疑惑のスーパーレコード」を生んだ高松宮記念(G1)を検証。推測される超高速馬場の「原因」と今年の「影響」は?
だが、その上で改めて問題視しなければならないのが、今年の高松宮記念である。
知っての通り、今年も先週は春分の日を利用した3日開催が行われ、中京競馬は月曜日も開催された。そして、週間天気予報で今のところ、今週末までに雨が降る予報はない。つまりは良馬場での開催が濃厚といった状況となる。
したがって、もしもJRAの馬場造園課が何らかの特別な手を打っていなければ、昨年と同じ超高速化する可能性は大いにあると考えられる。芝のコンディションは、前日からしっかりとチェックしておきたいところだ。
仮に昨年の「超高速化」が実現した場合、高松宮記念の出走馬の多くに影響が出ることは間違いない。ただ、その中でも最有力とされているレッドファルクスは特に注目しておきたい存在だ。
実は昨年のCBC賞(G3)の直前、レッドファルクスの尾関和人調教師は『東京スポーツ』の取材に対して「過去の傾向を踏まえれば、開催が進むにつれて速くなるのが中京の芝。路盤に硬さがない開幕週は、逆に時計がかかっている。前走ダートでオープン初勝利を飾ったファルクスも、それも見越した出走」と話している。
ところがいざ蓋を開けてみれば、CBC賞は馬場改修後のレコードで決着。尾関調教師も「昨年までの結果を見ても、速い時計の決着はなかった」と困惑していたが、上り32.7秒という豪脚を披露して勝ったのは、管理馬のレッドファルクスである。
これには師も「これほどの時計で走るとは」と驚き。つまりレッドファルクスは、それだけ高い高速馬場適性を持っているということなのだろう。しかし、逆に時計のかかる馬場だったとしても、師の思惑通りに好走していた可能性が高い。
今年の高松宮記念は馬場状態がどちらに転ぶか不透明だ。そこで頼りになりそうなレッドファルクスである。やはり、1番人気はこの馬になるのだろうか。
(文=編集部)