JRA マイラーズC(G2)「マイルの鬼」川田将雅が残した驚愕の数字! C.ルメール、M.デムーロすら圧倒した得意舞台に挑む「最適」パートナーが虎視眈々
24日、阪神競馬場ではマイラーズC(G2)が行われる。
2020年・2021年と2年連続でJRA最優秀短距離馬に選出されたグランアレグリアや、2019年に春秋マイル王に輝いたインディチャンプが昨年限りで引退。芝マイル界は絶対王者不在の状況で春を迎え、今回の一戦も群雄割拠のこの路線を象徴するような大混戦のメンバー構成となっている。
どの馬から組み立てるべきか……。迷った時に頼りたいのが“騎手の手腕”。そこで注目したいのが、ここまで58勝を挙げて騎手リーディングを快走している川田将雅騎手だ。
勝率.297も他を圧倒する数字で、特別レースの勝利数18も断トツの成績となっているのだが、それ以上に目を引くのが芝のマイル重賞での勝負強さである。
先週はアーリントンC(G3)をダノンスコーピオンで優勝。こちらはG1でも3着の実績を持つ1番人気馬での勝利だったが、その前週には7番人気のスターズオンアースで桜花賞(G1)を制覇。同世代のライバルたちに惜敗を続けていた馬を初騎乗でG1勝ちに導いた。その騎乗ぶりには、かつてのレジェンド騎手・安藤勝己氏も「上手く乗った順に決まったレースで、ユウガの騎乗には焦りがなかった」と称賛のコメントを寄せている。
思えば、桜花賞の前日に行われた阪神牝馬S(G2)でもデゼルで3着に入っており、4月の芝マイル重賞はここまで3戦2勝の3着1回。オール馬券内という抜群の安定感を誇っているのだ。
そこで調べてみると、今年の芝マイル重賞はラリュエルで挑んだ3月のチューリップ賞(G2)で7着となったのが唯一の馬券外。1月のシンザン記念(G3)はレッドベルアームで3着に入っていて、この条件の成績は【2-0-2-1/5】。勝率40%に複勝率は80%という凄まじい成績が残っていた。
範囲を2021年以降で広げてみても、成績は【7-0-5-6/18】と堂々たるもの。勝率38.9%で複勝率は66.7%という安定感もさることながら、2着がなくしっかりと勝ち切っているという点からも、その勝負強さが際立っている。
ちなみに、7勝は5勝で並ぶC.ルメール騎手とM.デムーロ騎手を抑えて堂々のトップ。人気馬への騎乗も多いが、上述の通り桜花賞のスターズオンアースは7番人気での快勝。昨年の安田記念(G1)では、単勝47.6倍の8番人気ダノンキングリーで単勝1.5倍の支持を集めたグランアレグリアを撃破するなど、大舞台での一発は大きなインパクトを残している。
得意舞台に挑む「最適」パートナー
そんな川田騎手は、今回のマイラーズCにファルコニア(牡5歳、栗東・高野友和厩舎)で参戦を予定している。
昨年4月に難波S(3勝クラス)を勝ってオープン入りを果たすと、重賞初挑戦となったエプソムC(G3)でもいきなり3着と健闘。飛躍が期待された素質馬だが、その後は10月にカシオペアS(L)を勝利したのが目立つ程度。今年に入ってからも2月の洛陽S(L)で3着、3月の六甲S(L)は2着と、リステッド競走でもワンパンチ足りないシーンが目につく。
この近況からのG2挑戦とあって、各メディアの注目馬情報を探してみてもファルコニアを推す声はなかなか見当たらないが、阪神コースは通算で【3-2-1-1】と安定感抜群の得意舞台。そこに現状“マイルの鬼”として猛威をふるう川田騎手の手腕が加われば、混戦から抜け出すシーンがあっても何ら驚きはない。
終わってみれば「また、川田か」となるのか。3週連続の阪神芝マイル重賞勝ちに挑む絶好調・川田将雅騎手から目が離せない。
(文=木場七也)
<著者プロフィール>
29歳・右投右打。
本業は野球関係ながら土日は9時から17時までグリーンチャンネル固定の競馬狂。
ヘニーヒューズ産駒で天下を獲ることを夢見て一口馬主にも挑戦中。