JRA【青葉賞(G2)展望】年間「190勝ペース」D.レーンついに襲来! 日本ダービー(G1)の切符巡り、武豊&C.ルメール&M.デムーロらと攻防

 30日、東京競馬場では日本ダービー(G1)トライアル・青葉賞(G2)が行われる。2着馬までに与えられる優先出走権をめぐって、今年も実力馬が顔をそろえそうだ。

 レヴァンジル(牡3歳、美浦・堀宣行厩舎)は、これが重賞初挑戦。ここまで5戦して「2-2-1-0」と、先行力を武器に堅実な走りをしてきた。

 才能の一端をうかがわせたのは、今回と同じ舞台で行われた2走前のゆりかもめ賞(1勝クラス)。好位を追走し、直線で逃げたポッドボレットをクビ差捉えて2勝目を挙げた。続くすみれS(L)はポッドボレットとの再戦。今度は逆にレヴァンジルが逃げると、2番手ポッドボレットにマークされる形となり、ゴール前でクビ差競り負けての2着に敗れた。

 また、3走前に中山で行われた3歳1勝クラスでは、後に弥生賞(G2)を勝つアスクビクターモアと接戦を演じ、クビ差の2着に健闘している。戦ってきた相手関係や同舞台で勝利経験があることを鑑みれば、ここでは最有力候補といえそうだ。

 鞍上にも注目が集まる。レヴァンジルにはこれまで4人の騎手が騎乗してきたが、今回はD.レーン騎手に乗り替わる。

 2020年7月以来、4度目の来日となるレーン騎手(2度目は19年12月に有馬記念デー限定で特例騎乗)。初来日した19年は約2か月間で38勝、前回の20年は約3か月間で41勝というハイペースで勝ち鞍を重ねた。

 JRAでの通算勝ち鞍を12か月換算ではじき出すと、年間約190勝ペースという驚異的な数字となる。約2年ぶりの日本でいきなり重賞Vを飾って好発進を切れるか。

 レーン騎手の来日を発奮材料にしたいのが、元短期免許騎手のC.ルメール騎手とM.デムーロ騎手の2人だろう。青葉賞では、それぞれ有力馬に騎乗を予定している。

 ルメール騎手は、ダノンギャラクシー(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)とのコンビでダービーの権利獲りに挑む。

 デビューからまだ2戦とキャリアは浅いが、両レースともルメール騎手が手綱を取り、初戦2着の後、2戦目で勝ち上がった。

 2着に敗れたデビュー戦後には「まだ子供ですね」とコメントを残していたルメール騎手。3か月の間隔を空けて迎えた2戦目の未勝利戦を快勝した際は「去年から大人になりました」と、年をまたいでの成長に目を細めた。また「2400mはちょうど良かった」と、距離適性にも言及した上で、「上のクラスでもやれるでしょう」と色気たっぷり。いきなりの重賞挑戦となるが、この馬に対する期待は大きい。

 19年の当歳セレクトセールで3億1320万円(税込)という高値で落札されたのは、その血統も魅力的だったからだ。父はディープインパクト、母はベネンシアドールなので、デニムアンドルビーの全弟にあたる。姉は3歳時にフローラS(G2)とローズS(G2)の両トライアルを勝利している。“トライアル血統”が弟にも伝わっているか。

 管理する国枝師は、アーモンドアイやアパパネなど数々の名牝を育ててきたが、牡馬クラシックには縁がない。今回は、昨年サトノレイナスでオークス(G1)を捨ててまで挑んだ日本ダービーのタイトル。悲願を達成するためにも、前哨戦で負けるわけにはいかない。

 デムーロ騎手はオウケンボルト(牡3歳、美浦・土田稔厩舎)とのコンビで臨む。

 今年1月にデビュー4戦目で逃げ切り勝ちを収めたオウケンボルト。続く水仙賞(1勝クラス)は先行して2着に健闘した。

 前走のスプリングS(G2)は皐月賞(G1)の権利獲りを狙ったが、スタートで煽ってしまい、痛恨の出遅れ。道中は後方を追走し、直線しっかり脚を伸ばすも、9着が精いっぱいだった。本番にも登録したが抽選で除外され、矛先を青葉賞に向けてきた。

 この馬にも血統的な後押しを期待したい。父は10年前の青葉賞を制し、ダービーで2着したフェノーメノ。皐月賞トライアルで権利を逃した過程は、父のそれと重なる。父と同じように青葉賞を制して、大一番を迎えることはできるか。

 3人の外国人騎手の間隙を突きたいのは、エターナルビクトリ(牡3歳、栗東・小崎憲厩舎)に騎乗する武豊騎手だろう。

 同馬はデビューから8、4、3着も、4戦目で武騎手に乗り替わると一変。未勝利と1勝クラスを連勝中である。外国人3人が騎乗する有力馬がけん制し合うような展開になれば、強烈な末脚で3連勝を飾ってもおかしくない。

 ジャスティンスカイ(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)は、5か月半ぶりで迎えた前走・フリージア賞(1勝クラス)を「+22kg」で快勝。デビュー戦でロンの2着に敗れたが、その後は2連勝中。鞍上は横山武史騎手を予定している。

 この他には、前走の水仙賞でオウケンボルトを破ったロードレゼル(牡3歳、栗東・中内田充正厩舎)が川田将雅騎手とのコンビで、昨秋のアイビーS(L)でドウデュースにクビ差2着の好走歴があるグランシエロ(牡3歳、美浦・武井亮厩舎)は三浦皇成騎手とのコンビで、それぞれダービーの出走権獲得をにらむ。

 久々の日本で再び“レーン旋風”は吹き荒れるのか。JRA騎手がそれを阻止するのか。発走は30日15時45分となっている。

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