皐月賞馬ディーマジェスティが日経賞(G2)で復活なるか!ジャパンC大敗からの雪辱をかける一戦も大阪杯(G1)との「ダブル登録」の背景に見えるもの
これ以上、無様な競馬は見せられない。
25日の日経賞(G2)で、昨年の皐月賞馬ディーマジェスティ(牡4歳、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)が雪辱を懸けて2017年の始動戦を迎える。
昨年は8番人気の低評価を覆して皐月賞(G1)を制覇すると、マカヒキ・サトノダイヤモンドと「ディープインパクト3強」を結成。クラシックを分け合い、世代をけん引したディーマジェスティ。しかし、秋初戦のセントライト記念(G2)を勝利したものの、続く菊花賞(G1)では4着。勝ったサトノダイヤモンドに手も足も出ない内容だった。
その後、陣営はジャパンC(G1)参戦を決断するも、デビュー以来最低のパフォーマンスに終わり13着と大敗。年末の有馬記念(G1)を待たずして休養に入ったが、あまりの不甲斐なさに一部では「早熟説」さえ囁かれた。
ただ、陣営は「昨秋は体調面で本物ではなかった」と主張。あれから約4か月の休養を経て、今回が仕切り直しの一戦となる。
前哨戦とはいえ、昨年の覇者ゴールドアクターを始め、骨のあるメンバーがそろった日経賞。だが、この馬の場合は体調が元に戻り、好調時の力が発揮できるかが最大のポイントとなる。本来の力は冒頭でふれた通り、サトノダイヤモンドやマカヒキと双璧を成す存在だ。
菊花賞、ジャパンCともに先着を許したレインボーラインや、新星の大器シャケトラ、中山が得意なミライヘノツバサなど同世代も曲者揃い。だが、G1馬として世代唯一の57㎏を背負ったとしても、この馬が本来の力さえ発揮できれば後れを取る相手ではない。
無理せず早めの休養を取ったことで状態面は上向き、二ノ宮敬宇調教師は「フレッシュさがあるし、元気いっぱい」と立て直しに手応えを感じているようだ。
ただ、その一方で気になる点もある。
放牧から帰ってきた本馬に二ノ宮調教師が「体付きが立派」と述べた通り、しっかり休んだ分、体が緩み馬体重も増加していそうなディーマジェスティ。本番がまだ先の今回だけに100点である必要はないが、どこまで調子を上げて出てくるのかはやや疑問である。
というのも、1週前追い切りを美浦のWコースで6ハロン79.7秒、ラスト12.9秒というまずまずハードな内容だったにもかかわらず、今週もまた同コースで80.8秒、ラスト12.5秒と一杯の追い切り……。
これだけレース直前にハードにやる(それも前哨戦で)のは、逆にそれだけ本馬が仕上がっていないからではないだろうか。