JRA【京都新聞杯(G2)展望】日本ダービーへD.レーンと「8馬身圧勝」ブラックブロッサム登場! 「5億円馬」リアド&ショウナンアデイブ反撃なるか
7日、中京競馬場では京都新聞杯(G2)が行われる。トライアルではないが、日本ダービー(G1)への東上最終便として重要なステップレースに位置付けられている。
昨年に続き中京芝2200mでの開催となる今年は、デビューから中京で2戦2勝のブラックブロッサム(牡3歳、栗東・斉藤崇史厩舎)が主役を務めることになりそうだ。
1月の3歳新馬、3月の大寒桜賞(1勝クラス)をいずれも先行して押し切ったブラックブロッサム。特に圧巻だったのは、同じコースで行われた前走だった。好スタートを切って、やや離れた3番手を進むと3~4コーナーで一気に進出。直線半ばでムチが入ると、あっという間に後続を突き放し、8馬身差をつけての圧勝だった。
その前走は前日の降雨の影響が残った重馬場も味方した。父は新種牡馬のキタサンブラックで、ブラックブロッサムも父譲りの500kgを超える雄大な馬体の持ち主。パワーとスタミナが問われる馬場は得意中の得意だろう。
一方で、やや速めの時計が出た新馬戦も快勝しており、軽い馬場も対応済み。キャリア2戦とレース経験は浅いが、良と重をこなした馬場経験、そして2度の中京経験はここでは大いに生きるはずだ。
鞍上を務めるのは先月30日から短期免許で騎乗しているD.レーン騎手。無傷の3連勝を飾って、2年ぶり3度目の日本ダービー(19年サートゥルナーリア4着、20年サリオス2着)にこの馬と向かえるか。
ポッドボレット(牡3歳、栗東・辻野泰之厩舎)はキャリア6戦、距離も1800~2400mと経験豊富だが、中京は今回が初めてとなる。
3戦目で勝ち上がり、重賞初挑戦の京都2歳S(G3)では0秒3差の4着。年明け初戦のゆりかもめ賞(1勝クラス)でレヴァンジルの2着に敗れたが、前走すみれS(L)はそのレヴァンジルを差し切って、2勝目を挙げた。
出走可能だった皐月賞(G1)をパスして、見据えるのはもちろんダービー出走。リステッド勝ちがあるとはいえ、現時点で出走ボーダーライン上ぎりぎりにいる。少なくとも2着に入って賞金を加算しておきたいところだ。
前走に続き鞍上を務めるのは福永祐一騎手。これまで1番人気馬に2度(06年マルカシェンク、21年ルペルカーリア)、2番人気馬にも2度(98年キングヘイロー、05年アドマイヤフジ)騎乗するも、「0-2-2-14」と、人気を裏切るケースが目立つ。19度目の騎乗で初勝利を挙げられるか。
セレクトセールで高値を付けた2頭もダービー出走を懸けてのラストチャンスを迎える。
19年当歳セレクトセールで5億760万円(税込)の高額取引をされたリアド(牡3歳、栗東・友道康夫厩舎)は、川田将雅騎手と新コンビを結成し、大舞台を目指す。
昨年10月の2歳新馬を順当に勝利したリアド。連勝を狙った若駒S(L)で、リューベックに1.1/4馬身差の2着に敗れ、暗雲が立ち込めた。
3戦目の毎日杯(G3)でもドゥラドーレスに次ぐ2番人気に支持されたが、結果は5着。3~4コーナーで早めに進出し、4コーナー2番手の積極策も実らず、直線で伸びを欠いた。
前走から400mの距離延長がプラスに出るか。5億円回収への道のりはまだ始まったばかりだ。
ショウナンアデイブ(牡3歳、栗東・高野友和厩舎)は、20年の1歳セレクトセールにて、リアドを上回る5億6100万円(税込)で落札された。
デビュー勝ちを収めたリアドに対し、こちらはデビューから4戦連続2着と初勝利に時間を要した。5戦目でようやく勝ち上がると、若葉S(L)に挑戦。3番人気に支持されたが、中団から見せ場なく7着に敗れた。
前走の走りを見る限り、まだこのクラスでは力不足は否めないか。リアドともども1着賞金2億円のダービー出走へ向けて、メイチの仕上げで臨むことになりそうだ。
この他には、通算成績「1-1-3-0」と勝ち切れないものの、安定した末脚が自慢のヴェローナシチー(牡3歳、栗東・佐々木晶三厩舎)、昨夏の札幌2歳S(G3)でジオグリフの2着があるアスクワイルドモア(牡3歳、栗東・藤原英昭厩舎)、デビュー4戦目で初めて芝を走り、6馬身差圧勝と変わり身を見せたミスターホワイト(牡3歳、栗東・矢作芳人厩舎)などの伏兵陣も面白い存在だ。
ダービーへの東上最終便を制するのは、果たしてどの馬になるのか。発走は7日、15時35分を予定している。