JRA武豊「鬼ゴルシちゃんモード」でジャングロ大出遅れ……NHKマイルC(G1)まさかの展開にファン悲鳴も、最後は怒涛の追い上げ

ジャングロ 撮影:Ruriko.I

 一体、誰がこの馬の最後方を予想できただろうか。

 8日、東京競馬場で行われたNHKマイルC(G1)は、4番人気のダノンスコーピオン(牡3歳、栗東・安田隆行厩舎)が勝利。トライアルのアーリントンC(G3)を制した勢いそのままに3歳マイル王に輝いた。

 その一方、スタートで半ば終わってしまったのが、もう1つのトライアル・ニュージーランドT(G2)の覇者ジャングロ(牡3歳、栗東・森秀行厩舎)だ。

 前走のニュージーランドTを見事に逃げ切って、重賞初勝利を飾ったジャングロ。今回はこれといったライバルの逃げ馬がおらず、陣営も「スタートは上手」と評価。競馬ファンもメディアも、誰もがこの馬がペースの主導権を握ると予想していた。

 しかし、いざゲートが開いてみると、1頭だけ取り残された馬が……。

まさかの「鬼ゴルシちゃんモード」に……

 

 昨年、馬主デビューを果たした藤田晋オーナーの「ワインレッド」の勝負服は遠目でもわかりやすい。あろうことか今年のNHKマイルCは、唯一の逃げ馬候補だったジャングロが出遅れるという波乱のスタートとなったのだ。

 もう1頭、ジャングロほどではないが、スタートで出遅れてしまったのが、横山典弘騎手とマテンロウオリオンだった。こうなった以上、腹を括ってお得意の“後方ポツン”に持ち込んだ横山典騎手だったが、百戦錬磨の大ベテランもまさか、さらに後ろに武豊騎手がいるとは思わなかっただろう。

 結局、ジャングロは最後の直線を迎えても最後方と、道中は出遅れのビハインドを取り戻すのがやっと。最後の直線では猛然と追い上げたが、7着までポジションを上げるのが精一杯だった。

 この結果を受け、レース後には即座に「ジャングロ」がトレンド入り。SNSや掲示板では「一瞬で終わってしまった」「逃げ馬が出遅れたら終わり」「最後、よく追い上げたけど……」など、やはり大きな出遅れが話題の中心になっていたようだ。

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

「レース後に武豊騎手が『ゲート入りした瞬間から“出よう出よう”として、開いた途端に突進してしまった』と話していましたが、どうやらゲートが開く直前に突進してしまい、ぶつけてしまったようですね。

武豊騎手と藤田オーナーといえば、今年3月のファルコンS(G3)でも同じようにゲートに突進して出遅れてしまったデュガが惨敗しています。珍しい出遅れの仕方ですが、まさかジャングロまで同じように出遅れてしまうとは……。最後は追い上げているだけに、スムーズなレースをさせてあげたかったですね」(競馬記者)

 また、ネット上の一部の競馬ファンからは、藤田オーナーが大人気競馬アプリ『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)で有名なサイバーエージェントの社長ということもあり「鬼ゴルシちゃんモードだったか……」という声もあった。

 鬼ゴルシちゃんモードとは『ウマ娘』で現在開催されているイベントの高難易度の1つで、選択した際には漏れなく『超遊び癖』というマイナススキルがついてしまい、スタートで物凄い出遅れをしてしまうなど、ユーザーの間でも『難し過ぎる』と話題になっているそうだ。

「ただ、道中は折り合って走れていた。その部分は収穫」

 最近『ウマ娘』のCMに登場するなど、騎手業以外のところでも話題を振りまいている武豊騎手。今回は2022年初G1勝利の大きなチャンスだったが、思わぬ“ハードモード”になってしまったようだ。

(文=銀シャリ松岡)

<著者プロフィール>
 天下一品と唐揚げ好きのこってりアラフォー世代。ジェニュインの皐月賞を見てから競馬にのめり込むという、ごく少数からの共感しか得られない地味な経歴を持つ。福山雅治と誕生日が同じというネタで、合コンで滑ったこと多数。良い物は良い、ダメなものはダメと切り込むGJに共感。好きな騎手は当然、松岡正海。

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