JRAあの大物でさえ「秒」で消し!? ソダシやレイパパレも戦々恐々、春競馬で共通していた「買ってはいけない馬」の条件
今週もまた波乱の決着となるのか。
先週末のNHKマイルC(G1)は、4番人気ダノンスコーピオンが勝利。1番人気セリフォスが4着に敗れ、3着に18頭中最低人気だったカワキタレブリーが食い込む大波乱の結末に終わった。
3連単の払戻はなんと153万2370円のお宝配当。17番人気キルロードが3着に入り、278万4560円だった3月の高松宮記念(G1)に続く100万超えとなった。
振り返ってみると、今春のG1レースは「荒れ放題」といっていい。
先述の高松宮記念からNHKマイルCまで6度のG1が行われたが、1番人気に支持された馬は6連敗。2番人気で勝利した天皇賞・春のタイトルホルダーが最高人気で、残りは8番人気が2勝で4、5、7番人気が1勝ずつという有様だ。
さすがにここまで波乱が続くと、どこから予想を組み立てればいいのやらという気持ちになるものの、少なくとも人気を裏切った馬については、ある程度の共通点も見つかった。
春競馬で共通していた「買ってはいけない馬」の条件
最初にいえることは、当然ながら1番人気が未勝利であること。こちらについては2月のフェブラリーS(G1)にも当てはまる。このレースを含めると、今年のG1で1番人気は7戦未勝利。引き続き気にしておきたいデータだろう。
次にいえることは、前走から休み明けでG1に直行している馬の凡走だ。高松宮記念のレシステンシア(香港スプリント)、大阪杯のエフフォーリア(有馬記念)、NHKマイルCのセリフォス(朝日杯フューチュリティS)は、いずれも今年初戦がG1だった。1番人気、且つ休み明けなら、「悪い意味」での信頼度が高くなる。
そこで、例年以上に豪華メンバーが集まり、ハイレベルの激戦が期待される今年のヴィクトリアマイル(G1)にこれらを当てはめてみると、秒で消せそうなのがデアリングタクトだ。
ただでさえ、休み明けの馬が勝てない流れの上に昨年4月のクイーンエリザベス2世S(香港・G1)を3着に敗れた後、右前肢繋靱帯炎を発症して休養。史上初の牝馬三冠を達成した名牝とはいえ、1年1ヶ月ぶりの戦線復帰だけに厳しいか。
これに対し、「危険な1番人気馬」についてはまだまだ分からない。
『netkeiba.com』が公開しているヴィクトリアマイルの単勝予想オッズを確認したところ、10日現在で1番人気にソダシ、2番人気レイパパレ、3番人気デアリングタクト、4番人気ソングラインの4頭が4倍台で拮抗する人気。白毛のアイドル・ソダシとダノンスコーピオンで勝利した川田将雅騎手がコンビを組むレイパパレが一歩リードしている。
ただ、現時点ではどの馬が最終的な1番人気に支持されるかは不鮮明。狙っている馬がもしも1番人気になるようなら、思わぬ凡走もあるかもしれない。
あくまでこれは結果論のため、あっさりと記録が途絶える可能性も十分に考えられるとはいえ、さすがにここまで続くと気になるところだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。