アロゲートの最強すぎる走りに世界が驚愕……日本勢苦戦も大魔神ヴィブロスがドバイターフ(G1)制覇!【ドバイワールドカップデー2017回顧】
25日の深夜にかけて行われた「ドバイワールドカップデー2017」。ドバイワールドカップを始めとした世界最高峰の戦いに、今年も日本から10頭の有力馬が出陣。世界制覇を懸けた熱い戦いが繰り広げられた。
口火を切ったのはカフジテイク(牡5歳、栗東・湯窪幸雄厩舎)が参戦したゴドルフィンマイル(G2、ダート1600m)だ。
今年2月の根岸S(G3)で重賞初制覇を果たしたカフジテイクは、続くフェブラリーS(G1)でも3着に好走し、その充実ぶりをアピール。主戦の福永祐一騎手の進言もあってゴドルフィンマイルに挑戦することとなった。
レースは、いつも通りの末脚勝負に懸けたカフジテイク。最後の直線で後方から猛然と追い上げるも、先に抜け出したセカンドサマー、ロス、シャープアズテカの叩き合いに加われず。結局、地元のセカンドサマーがクビ差だけ競り合いを制して優勝。カフジテイクも良い脚を使ったが5着が精一杯だった。
レースを見守った湯窪幸雄調教師は、現地のダートが合わなかったと話しながらも「この馬のレースはしてくれた」と敗戦の中でも納得できる部分もあったようだ。また、福永騎手は、ペースが速く道中の追走に苦しんだと分析しながらも「よく5着に来てくれた」と評価。「コンディションは良かったし、よく頑張ってくれた」と相棒を労った。
続くUAEダービー(G2、ダート1900m)にはエピカリス(牡3歳、美浦・萩原清厩舎)とアディラート(牡3歳、栗東・須貝尚介厩舎)の2頭が登場。どちらも世代トップクラスの能力者だけに、特に高い期待が持たれたレースだった。
レースはエピカリスがハナを切り、アディラートがそれに続くという日本勢が積極的にレースを作る展開。最後は逃げ粘るエピカリスと地元のサンダースノーとのマッチレースとなり、一度はエピカリスが振り切ったように見えたが、最後の最後で逆転を許した。一方で早々に脱落したアディラートは12着に大敗している。エピカリスは2着だった。
レース後、エピカリスのC.ルメール騎手は相手のサンダースノーには地元のアドバンテージがあったと話し「最後ちょっと足りなかっただけ」と悔しがった。また、アディラートに騎乗した武豊騎手は「ナイストライ」と挑戦を称えながらも「タフな競馬だった」と完敗を認めた。須貝尚介調教師も「距離が長かった」と、初の1900m挑戦を敗因に挙げていた。
なお、この2頭はともに米国三冠にも登録しているが、今後の進路が注目されそうだ。
ドバイゴールデンシャヒーン(G1、ダート1200m)には日本のディオスコリダー(牡3歳、栗東・高橋義忠厩舎)が、唯一の3歳馬でありながら果敢に古馬に挑戦したが、スタートでやや出負けして道中も追走に苦しみ、最後は14頭中の11着。残念ながら見せ場なく、世界の壁に阻まれた。
続くドバイターフ(G1、芝1800m)からは日本でも馬券発売があった。日本の秋華賞馬ヴィブロス(牝4歳、栗東・友道康夫厩舎)は最終的に単勝8.8倍の5番人気だった。