JRAヴィクトリアマイル(G1)メイケイエールに「なぜ出ないの?」の声…秋を見据えた陣営の狙いに池添謙一を巡る「女の戦い」勃発か

メイケイエール 撮影:Ruriko.I

 14日、東京競馬場で行われる京王杯SC(G2)に、競馬界屈指のお転婆娘・メイケイエール(牝4歳、栗東・武英智厩舎)が出走を予定している。古馬になってからは、落ち着きつつあり、前走の高松宮記念(G1)では5着に好走して見せた。1400mに距離を延長する走りに注目が集まっている。

 一方でネット上には「なぜ(同週の)ヴィクトリアマイル(G1)に出走しないのか」といった声も散見している。1月にシルクロードS(G3)を制した際も、「今ならマイルもこなせそう」といったファンの声があり、翌日にマイルのG1がありながら、京王杯SCへの出走を残念に感じる声が挙がるのも無理はない。

 事実、3歳時にはメイケイエールはマイル戦を中心に使われており、折り合いを欠きつつもチューリップ賞(G2)を制した実績もある。強過ぎる前進気勢が災いして昨夏以降は短距離路線を歩んでいるが、池添謙一騎手とタッグを組んだ近3戦では気性面の課題も改善しており、今ならマイル戦もこなせそうに思える。

 今回のレース選択について陣営は、『東京スポーツ』の取材に「夏場を休みに充てたいことと、秋の始動戦を考えて、東京競馬場も経験させたい」と話している。この理屈ならば、同じく府中が舞台のヴィクトリアMを選択してもよさそう。

 とはいえ、「馬混みで我慢できるようになってきているので、慎重に1400メートル、1600メートルと延ばしていけたら」とも話しており、マイル戦を見据えつつも、まずは1400mからという陣営の慎重な選択の意図が伝わってくる。それでも、近年でも屈指の好メンバーが集まったヴィクトリアマイルでメイケイエールが見たかった…というファンも多いだろう。

池添謙一を巡る「女の戦い」勃発か

 しかし、仮にメイケイエールがヴィクトリアマイルに出走していた場合、大きな問題が生じていた可能性がある。

ソングライン 撮影:Ruriko.I

 メイケイエールが力を発揮するために池添騎手は欠かせない存在であるが、今回のヴィクトリアマイルには同じく池添騎手を主戦とする有力馬・ソングラインも出走予定。そうなると池添騎手がバッティングしてしまうことになる。

 メイケイエールにとっては、頼みである池添騎手が騎乗できないことは死活問題といってもいい。

 今回は京王杯SCを選択したために問題は起こらなかったが、秋以降にマイルへの再挑戦を目指す場合には、ソングラインとの激突による、鞍上の確保が大きな問題となる可能性がある。

 一方でソングラインの側からすれば、メイケイエールは深い「因縁」のある相手。昨年の桜花賞(G1)ではメイケイエールの斜行の影響を受けて大敗を喫した。後のNHKマイルC(G1)でシュネルマイスターとハナ差の2着に好走した実力を考えれば、桜花賞もスムーズならば勝ち負けができたかもしれない。

 その「因縁」の相手と、今度は鞍上を巡って衝突する可能性が出てきた。ソングラインとしても、主戦騎手をメイケイエールに奪われることは本意ではないだろう。

 両者が激突する時、それぞれの主戦を務める池添騎手はどちらをパートナーとして選ぶのだろうか。今週末の直接対決は避けられたが、鞍上を巡る戦いの「第一ラウンド」ともいえるだろう。因縁深い2頭の「女の戦い」の行方に注目だ。

(文=エビせんべい佐藤)

<著者プロフィール>

 98年生まれの現役大学院生。競馬好きの父の影響を受け、幼いころから某有名血統予想家の本を読んで育った。幸か不幸か、進学先の近くに競馬場があり、勉強そっちのけで競馬に没頭。当然のごとく留年した。現在は心を入れ替え、勉強も競馬も全力投球。いつの日か馬を買うのが夢。

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