元JRA安藤勝己氏「ちょっと考えられん負け方」レイパパレ轟沈も…落馬寸前アクシデント上回る“決定的敗因”に「それしかない」
15日、東京競馬場で行われたヴィクトリアマイル(G1)は、吉田隼人騎手の4番人気ソダシが優勝。昨年の桜花賞(G1)以来となる3つ目のG1タイトルを手に入れた。
G1馬が5頭出走し、過去最高ともいえる超豪華メンバーで争われた今年のヴィクトリアマイル。良馬場で1分32秒2の勝ちタイムも文句なし。ファンに絶大な人気を誇る白毛のアイドルは、3着に敗れた前走のフェブラリーS(G1)から輝きを取り戻すことに成功した。
最愛のパートナーを勝利に導いた鞍上は、ゴール後にガッツポーズ。本人曰くプレッシャーをはねのけたという、自分の「勝ったぞ!」という気持ちを表現した。
一方、1番人気に支持されたレイパパレ(牝5、栗東・高野友和厩舎)は、好位3番手で最後の直線を迎えたものの、伸び切れず12着と惨敗。約2年近く使われていなかったマイルの距離や、初めての東京コースも響いたか。
しかし、それ以上に“見えない力” が働いたのだとしたら、もしかしたらあのお笑い芸人と無関係ではないのかもしれない。
なぜなら、霜降り明星・粗品の友達こと生涯収支マイナス1億円君が、『粗品 Official Channel』でアップしたヴィクトリアマイルの予想動画でレイパパレを本命に指名していたからだ。詳細は本動画をご覧頂きたいのだが、通称マイ億君の指名する本命馬は重賞レースで悉く凡走。そのあまりにも不可解な連敗ぶりに、ネットやSNSでは「粗品の呪い」がトレンド入りするまでになっていた。
元JRA安藤勝己氏「ちょっと考えられん負け方」
これには元JRA騎手である安藤勝己氏も愛のあるイジりで反応。ファンからTwitterでレイパパレの敗因について質問されると、「それしかないでしょ。スタート多少遅れたけど、しっかりリカバリーして展開的に前も残っとるからね」と、好走の余地があったことを振り返りつつ、「4角からもう手応えが怪しかった。ちょっと考えられん負け方」と疑問を投げかけた。
Twitterで粗品の「ボケェイ」というつぶやきを安藤氏が「買わないことを祈っとったけど…」と引用RTしたところも、二人の親密な関係が伝わる内容だ。
とはいえ、本命にした馬が凡走するだけでなく、アクシデントにまで見舞われるのだから恐ろしい。競馬ファンとしては、狙っている馬が「マイ億君から本命にされる」イコール「予想がハズレる」という悪循環である。
振り返れば、皐月賞(G1)で本命だったデシエルトはスタートで出遅れ。逃げて結果を残していた馬だけに痛恨だった。そして今回、同じく本命にされたレイパパレはスタートで大きくバランスを崩して落馬寸前に……。ここまで来ると、そんなアクシデントですら“粗品の呪い”が原因だったのではないかとさえ思いたくもなる。
陣営も折り合いに苦心しながら、なんとかここまで中距離戦を中心に使ってきた。前進気勢が旺盛なレイパパレとしては、前走から距離を短縮したマイルの舞台は歓迎だったはず。
内容的に度外視してもよさそうな敗戦ではあるが、このまま短距離路線へと進むのか、それともまた中距離に戻すのか……次走の選択が気になるところだ。
(文=高城陽)
<著者プロフィール>
大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。