JRA安田記念(G1)ダービーに続きC.ルメール「最大の敵」は武豊!?「単勝1.3倍」アーモンドアイ敗戦の悪夢から2年、名手によぎる“嫌な予感”
今週もまた名手の前に立ちはだかるのは“あの騎手”なのだろうか。
29日、東京競馬場で行われた日本ダービー(G1)は武豊騎手の3番人気ドウデュースが後方から鮮やかな差し切り勝ち。「4強」と呼ばれた一戦を制し、大観衆の前で競馬界のレジェンドが大いに存在感を示した。
その一方で、直線ではその背中をがむしゃらに追いながらも、わずかクビ差で栄光を掴み損ねたのが2番人気イクイノックスに騎乗したC.ルメール騎手だ。
「直線でドウデュースの外へ出した時は勝てると思いましたが、ドウデュースもまた伸びました。18番枠もありました……」
レース後にはそう語っていた鞍上。枠・展開・道中の位置取りなど、ダービーという大舞台でのほんの少しの差が2人の「明暗」を分けた。
しかし、トップジョッキーだけに、いつまでも過去の敗戦を引きずるわけにはいかないはず。
今週末6月5日に行われる安田記念(G1)には、シュネルマイスター(牡4、美浦・手塚貴久厩舎)に騎乗を予定しているルメール騎手。パートナーは『netkeiba.com』で公開されている現在の予想オッズで想定1番人気となっている。手痛い惜敗から気持ちを切り替えて、改めて大一番へ臨みたいところだ。
そんなルメール騎手にとって、気になるライバルに朗報が飛び込んだ。
「先週の25日に、ダービー馬ドウデュースなどを所有するキーファーズの公式サイト『キーファーズサロン』にて、シャランガーナを管理する清水久詞調教師が『豊さんは安田記念ですので』とのコメントが見受けられました。
ですが、その時点では安田記念登録馬の想定騎手に武豊騎手の名前はなく、ファンの間では『一体どの馬に乗るのか』という考察がネットの掲示板やSNS等で始まっていました。
候補は複数いましたが、なかでもファンが最も切望していたのが前走のヴィクトリアマイル(G1)で2着したファインルージュ。どうやらその可能性が高そうですよ」(競馬誌ライター)
ダービーに続きC.ルメール「最大の敵」は武豊!?
そのファインルージュの前走に騎乗したのはルメール騎手だが、今回は自身とのコンビで昨年のNHKマイルC(G1)を制したシュネルマイスターへの先約があったためコンビを組むことは出来ず。
また過去にコンビを組んで桜花賞(G1)3着や紫苑S(G3)で勝利に導いた福永祐一騎手もフェブラリーS(G1)を勝ったカフェファラオに騎乗予定のため、2頭に遅れて参戦を決めたファインルージュにぽっかりと空きがある形になっていたのだ。
その流れもあって、元々安田記念にお手馬との出走予定がなかった武豊騎手に思わぬチャンスが舞い込んできたということだろう。
シュネルマイスターとファインルージュの比較をするわけではないが、どちらの主戦でもあるルメール騎手にとっては少々複雑な気持ちかもしれない。何と言っても思い出すのは2年前の2020年にアーモンドアイとのコンビで敗れた安田記念だ。
当時は、単勝1.3倍の断然人気に推された同馬。前走のヴィクトリアマイルは牝馬同士ではあったものの、ノームコアやダノンファンタジー、ラヴズオンリーユーといった強力なG1馬達を全く問題にせず、終始楽な手応えのまま2着に4馬身差をつける圧勝を決めていた。
それもあって、戦前にはルメール騎手とアーモンドアイは「勝利濃厚」というのが大半の見立てだった。だが、その絶対的な存在を打ち破ったのは自身が主戦を務めていたグランアレグリア。代役として騎乗した池添謙一騎手にまんまと勝利を奪われた苦い思い出がある。
今回においても、主戦だったファインルージュに武豊騎手が跨り、自身が選んだシュネルマイスターより先着を許すなんてことは想像もしたくないだろう。ましてや先週のダービーでもあと一歩のところで勝利を奪われた武豊騎手ならなおさらの話だ。
ルメール騎手にとって脅威となるのは、今週もまた武豊騎手なのかもしれない。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?