昨年の大阪杯覇者アンビシャスに覇気なし?調教で余裕のライバルにちぎられ、最終追い切りも格下3歳馬に……
今年からG1昇格を果たした大阪杯で、連覇の懸かるアンビシャス(牡5歳、栗東・音無秀孝厩舎)に、昨年ほどの勢いを感じないのは気のせいだろうか。
29日の最終追い切りを終え、各メディアの報道では「上昇ムード」や「勝機」「意欲」「追い風」など景気のいいコメントが並んでいるが、率直な感想は「暗雲」である。
いつものように栗東の坂路で4ハロン51.6秒。全体時計としてはまずまずの好時計だが、ラストは12.8秒。3歳500万下のアードラーに胸を貸す立場だったものの、最後まで追い抜くことはできなかった。
騎乗した福永騎手は『デイリースポーツ』の取材に「いつもあんな感じみたい」と新たな相棒を庇ったが、実は先週の1週前追い切りでも僚馬のミッキーロケットに2馬身ちぎられている。
それもミッキーロケットに騎乗した和田竜二騎手によると「まだまだ余裕があった」とのこと。それはつまり、調教とはいえアンビシャスが余裕でちぎられたともいえる。
「ミッキーロケットはもともと調教駆けする馬ですが、気になるのはアンビシャス自身の動きですね。昨年の大阪杯の1週前追い切りでは、当時の自己ベストに0.1秒差に迫る内容。最終追い切りも、時計が掛かるコンディションながら素晴らしい動きでした。ですが、今年は昨年ほどの躍動感が見られない気がします」(競馬記者)
実際に前走の中山記念(G2)では、1番人気に推されながらも4着と一息。陣営は「スローペースだったから仕方ない」と前を向いたが、当時の現役王者ドゥラメンテにクビ差まで迫ったほどの豪脚は見られなかったことも事実だ。
昨年は1000m通過が59.4秒だったが、上がり3ハロンはメンバー最速の33.6秒でまとめて2着。しかし、今年は1000m通過が61.4秒と2秒遅い楽なペースにもかかわらず、上がり3ハロンでは33.8秒。机上の空論ながら、仮に昨年と同じ脚が使えていれば0.2秒差の勝ち馬ネオリアリズムにもっと迫っていたはずだ。