JRA福永祐一「来年のダービーに」1番人気ダイヤモンドハンズが世代一番星! 池江泰寿調教師「父譲りのセンス」新種牡馬サトノダイヤモンドが堂々のデビュー!

 噂に違わぬ走りを見せつけた。

 4日、中京競馬場で行われた2歳新馬を制したのは、1番人気のダイヤモンドハンズ(牡2歳、栗東・池江泰寿厩舎)。注目の新種牡馬サトノダイヤモンドの産駒が、世代最初の新馬戦で大きく勝ち名乗りを上げた。

 デビュー前、かつて父サトノダイヤモンドを管理した池江泰調教師が「品があって、雰囲気もよく似ている」と言えば、追い切りに騎乗した福永祐一騎手からは「来年のダービーに出走させたい」と早くも高いステージを見据えるコメント。年上と併せ馬をしても、互角以上の動きだった。

「芝の走りが良かったですし、最後はしっかりかわしてくれました」

 9頭立てで行われた芝1600mのデビュー戦では、そんな前評判通りの1番人気に。スタートを無難に決めると、レース後に「いいところで流れに乗れました」と振り返った福永騎手に促されて上手く好位に取りついた。全馬一団のまま最後の直線を迎えると、福永騎手が満を持してのゴーサイン。右ムチに鋭く反応すると、粘り込みを図ったスズカダブルに並びかけ、最後は1馬身1/4差をつけてゴールした。

低迷する池江泰寿厩舎にとっても嬉しい勝利

 

「新馬開幕戦のデビューになりましたが、決して早熟馬という感じではなく、スパートするまでにもたつくなど、まだまだ粗削りで幼さが見えますね。レース後に福永騎手も『距離はあった方がいい』と言っていた通り、1600mは少し短い印象。父サトノダイヤモンドが長いところで走っていたように、今後は距離を延ばしていくと思います。

いずれにせよ、来年のクラシックに向けて、ここを勝てたのは大きいのではないでしょうか。次走は秋以降になると思いますが、名前を覚えておきたい存在です」(競馬記者)

 ダイヤモンドハンズを管理する池江泰厩舎といえば、かつて三冠馬オルフェーヴルを手掛けるなど栗東でも屈指の名門だ。しかし、近年は大レースで思うように結果が出ず、G1勝ちは3年前の大阪杯(アルアイン)が最後。昨年はついに重賞未勝利という残念な結果に終わってしまった。

 しかし、今年はここまで重賞4勝。明日の安田記念(G1)にも有力馬のソウルラッシュを送り込むなど、本来の勢いを取り戻しつつある。

 そんな中で出現したダイヤモンドハンズは、2016年に菊花賞(G1)と有馬記念(G1)を制し、最優秀3歳牡馬にも選出されるなど、かつて厩舎の看板だったサトノダイヤモンドの産駒。2017年の皐月賞(G1、アルアイン)を最後にクラシック制覇から遠ざかっている厩舎にとっても待望に違いない。

「父と見た目も似てるし、レースに行くと父譲りでセンスのいい競馬を見せてくれました。新種牡馬だし、勝ててホッとしています」

 レース後、そう胸を撫で下ろした池江泰調教師。気になる今後については「距離はもう少しあった方がいいと思います」と来年のクラシックを見据えた。

(文=大村克之)

<著者プロフィール>
 稀代の逃亡者サイレンススズカに感銘を受け、競馬の世界にのめり込む。武豊騎手の逃げ馬がいれば、人気度外視で馬券購入。好きな馬は当然キタサンブラック、エイシンヒカリ、渋いところでトウケイヘイロー。週末36レース参加の皆勤賞を続けてきたが、最近は「ウマ娘」に入れ込んで失速気味の編集部所属ライター。

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