JRA期待の「16冠ベビー」が大誤算!? 2歳世代続々デビューの裏で「牝馬2冠」スターズオンアースを姪に持つ超良血が崖っぷち
父母合わせて「16冠」の超良血が試練の時を迎えている。
4日、中京競馬場で行われた4Rの3歳未勝利は、国分恭介騎手の5番人気イスラグランデが優勝。兄に2012年のマイルCS(G1)を制したサダムパテック、姉には2018年のヴィクトリアマイル(G1)を制したジュールポレールを持つ良血馬が、デビューから4戦目にして嬉しい初勝利を挙げた。
その一方で、同じく超良血でありながらも10着と大敗してしまったのが、福永祐一騎手の3番人気スタニングスター(牝3、栗東・友道康夫厩舎)だ。
14頭立ての芝2000mで行われたレース。2枠2番から好スタートを決めると、道中は先頭から5番手を追走する。前半1000m通過タイム1分1秒2のスローペースのなか、徐々に後続が押し上げを図ると、すかさずスタニングスターも先団へ進出を開始。鞍上に促されながら大外を捲る様にして追い上げ、最後の直線へと入る。
ところが、ここから大ブレーキ。鞍上が懸命にムチを入れて追うも、全く反応がみられず後退。結局ゴールまで大きな見せ場もなく、終わってみれば10着と大敗を喫した。
「うーん、どうしましたかね。半年にも及ぶ休み明けの影響もあったかもしれませんが、それにしても良い所がなかったです。
前走の芝1600mで行われた新馬戦では9着に敗れましたが、最後の直線で進路が塞がるシーンもありましたし、やや不完全燃焼にも映りました。さらに、当時鞍上を務めていたC.ルメール騎手も『距離は延ばした方がいいね。これから良くなるはず』とレース後にコメントしていたように、今回は距離を延ばしてきたので巻き返しを期待していましたが……」(競馬誌ライター)
ソウルスターリングの妹がまさかの
多くの競馬ファンがこの馬に期待するのも無理はない。
何と言っても同馬は父フランケル(10冠)と母スタセリタ(6冠)の間に生まれた「16冠ベビー」。全姉には2017年のオークス馬ソウルスターリング、姪に今年の牝馬2冠を達成したスターズオンアースがいる超良血馬だ。
同い年の姪が早い時期から活躍する一方で、デビューが11月とやや遅れたスタニングスター。その後、怪我も重なり順調にレースを使うことが出来ず、今回が6カ月ぶりの実戦ではあったものの予想外の苦戦を強いられた。
レース後にはネットの掲示板やSNSで「勝ち上がれるのか心配」「全然ダメだ」「良血ゆえもどかしい」など、ファンの間でも不安の声が多く上がった。
先週には3歳馬の頂点を決める日本ダービー(G1)が終わり、今週からは期待の2歳馬達が続々とデビューしている一方、現3歳世代の未勝利戦終了の9月まで残りわずか。陣営にもそろそろ焦りが見えてくるはずだ。
そして先日には、牝馬2冠を達成した姪のスターズオンアースが骨折と診断され、3カ月以上の休養を余儀なくされるショッキングなニュースもあった。
悩める「16冠ベビー」が日の目を見る時は訪れるのだろうか。
(文=ハイキック熊田)
<著者プロフィール>
ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?