前走は「恵まれすぎた一戦」? 3連勝で桜花賞参戦のカラクレナイに立ちはだかるフィリーズR組の嫌な「ジンクス」。頼みの綱は今年に入って絶好調の……
問題が発生したのは最後の直線を向いてすぐ。マクリ気味に先頭に躍り出たレーヌミノルが内側に斜行し、ジューヌエコールをはじめラチ沿いにいた各馬が進路を阻まれる不利を受けたのだ。なお、この斜行の一見でレーヌの手綱を握った浜中俊騎手は騎乗停止処分を受け、同馬とのコンビを解消している。
内の馬が不利を受けたことに加え、レーヌミノルが早めに進出を開始したために後方待機のカラクレナイにとっては流れが向いたフシもある。同じようなポジションにいた人気薄のゴールドケープが3着に来ている点も、差し・追い込み有利の展開を裏付ける証拠だ。
フィリーズRの「ジンクス」、未知数の「マイル戦」、前走の恵まれた「展開」。以上の3点を踏まえると、カラクレナイにとって桜花賞は決して楽なレースとは言い難い。
幾つかの条件が向かい風だとすれば、頼みの綱は初コンビを組む田辺裕信騎手。今年は86勝を挙げた昨年を大きく上回るペースで勝ち星を量産しており、4月5日時点のリーディングでもC.ルメール騎手を抑えて全国第2位と活躍中。今もっとも乗れているジョッキーの一人だけに、その手綱さばきには注目が集まる。
今週またがった追い切りでは早くも馬の特徴を掴んだようだ。松下調教師は田辺騎手とのやり取りについて聞かれた質問に対し、「少し左に張るところがあるので、そのへんを気にしてもらえればという話をしました。(田辺)ジョッキーからは基本的にスムーズにまっすぐ走ってこれたということでした。いい感触をつかんでもらいました」とコメントを残している。
相手関係が一気に強化されるだけでなく、「ジンクス」とも戦わなければならない一戦。田辺騎手の力でどこまでやれるか、心して観戦するとしよう。