札幌記念参戦ソダシ、「迷える」女王の次なる選択肢
5月のヴィクトリアマイル(G1)を制し、3つ目のG1タイトルを手に入れたソダシ(牝4、栗東・須貝尚介厩舎)は、札幌記念(G2、札幌・8月21日)に参戦することが13日に分かった。管理する須貝師の説明によると、引き続き吉田隼人騎手とコンビを予定しているようだ。
3歳で挑んだ昨年の札幌記念を制し、今年は連覇を目指す白毛の女王。秋を見据えたステップとしては同じレースとなる訳だが、秋華賞(G1)が目標だった当時とは大きく事情が異なってくる。
昨年は次走で秋華賞に出走したものの、単勝オッズ1.9倍の断然人気を裏切る10着。同じ芝2000mの札幌記念を快勝し、距離不安を克服したと思われた矢先の惨敗はこれだけでは終わらなかった。
ダートへの転戦で巻き返しを期したチャンピオンズC(G1)でもマイペースの逃げに持ち込みながら、直線でズルズルと後退して2番人気で12着。それまでもオークス(G1)で8着に崩れたケースはあったが、このときは外から競り掛けてきた馬に内へ押し込まれて折り合いを欠くなど、まだ納得できる要素もあった。
昨秋の大崩れについては、元JRA騎手の田原成貴氏も「SOSを出していた」のではないかと指摘。もしかしたら当時の彼女は走ることに前向きではなかったのかもしれない。
「札幌記念を使うとしても今年の次走がどのレースになるのかは非常に気になります。ダートを連戦したフェブラリーS(G1)を3着した後に須貝師も選択肢は増えたと評価していました。実際巻き返しに成功しましたからダートの適性がないという訳でもなさそうです。
ただ、好走したとはいえ重で脚抜きのいいダートでしたから、圧勝して見せたヴィクトリアマイルの走りこそソダシ本来の姿にも思えます。個人的な見立てではやはり芝でこその印象が強くなりましたね」(競馬記者)
また、ソダシの主戦を任されている吉田隼騎手もヴィクトリアマイル勝利後に「これまであまり条件が噛み合わずダートを使ったり、長い距離を使ったりしました」、「マイルのレースを使えば強い相手でも良い勝負ができる馬です」といったコメントを残しているだけに、ベスト条件は芝のマイル戦という見方も可能だろう。
「迷える」女王の次なる選択肢
となると、次なる選択肢としては昨年と同じくダートの中距離戦であるチャンピオンズC、芝の中距離戦の天皇賞・秋(G1)、芝のマイル戦のマイルCS(G1)などが候補となる訳だが、白毛の女王の適性を考えた場合、最も条件が合いそうなのはマイルCSあたりか。
まだ札幌記念の結果も出ていないタイミングのため、あくまで推測の域を出ないことは承知だが、今年も芝2000m条件の札幌記念を選択してきただけに、陣営としてもまだまだ頭を悩ませているということだろう。
間を取って天皇賞・秋に出て来てくれるようなら好メンバー必至のレースを期待出来そうだが……。迷える女王の陣営の次の一手に注目したい。
(文=黒井零)
<著者プロフィール>
1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。