JRA【函館記念(G3)予想】サンレイポケットら人気馬は軽視! 「馬場悪化」に対応できる穴馬の激走を予想!超高配当も夢ではない

 今回は先週の七夕賞(G3)に続くサマー2000シリーズの第2戦・函館記念(G3)を予想していく。

 まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。
巴賞(OP) 8頭
新潟大賞典 4頭
目黒記念、鳴尾記念、エプソムC 各3頭
天皇賞・春 2頭
NHKマイルC、日経賞、金鯱賞、マーメイドS 各1頭
リステッド 1頭
オープン特別 1頭
条件特別(3勝クラス) 1頭
となっている。中1週と厳しいローテーションだが、同じ函館で開催される伝統のオープン戦・巴賞からの転戦馬が最多。逆に中9週と間隔を空けた新潟大賞典(G3)が次点で、3番目に多い鳴尾記念(G3)と同じく手頃な中距離重賞がない関係でこういうローテーションを組んでいるのだろう。天皇賞・春(G1)や目黒記念(G2)、日経賞(G2)はどちらかというと例外で、基本は前走中距離戦だった馬が狙い目と言えそうだ。

 続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 1-0-0-9
2番人気 2-0-0-8
3番人気 3-0-2-5
4~6番人気 3-0-0-27
7~9番人気 0-5-6-19
10番人気以下 1-5-2-61
となっている。辛うじてアテにできそうなのは3番人気から。1番人気と2番人気はアテにすべきでなかろう。数字を見てもわかる通り7番人気以下の馬が異常な数字で馬券に絡んでいる。実際、過去10年で3連単10万馬券に「ならなかった」のがわずか2回。一昨年は3番人気が馬券に絡んだにもかかわらず、15番人気―13番人気―3番人気の並びだったため、343万馬券が飛び出している。ハンデ戦ということもあって、人気馬を人気通りに信用するのは危険なようだ。

 ちなみに気になる馬場状態だが、土曜日のレース時間の半分くらいは雨の公算が大きく、その後一旦止みそうではあるが、日曜日も晴れるわけではなく引き続き雨交じりの曇りのようなので、馬場の悪化は避けられなさそうだ。

サトノクロニクル

 これを踏まえて「◎」は人気薄14番サトノクロニクルとする。

 前走は巴賞。道中6番手を進み、直線で勝ち馬と同じポジションから追い出すも不利を受け、もう一伸びを欠いて3着に敗れている。

 8歳馬ということもあって、上積みを期待するのは難しいところがある。前走の3着も実に1年3カ月ぶりに馬券圏内に入ったほどで、めぼしい成績を挙げられていないのが実際のところ。連対は実に約4年、勝ち星は約4年7カ月も遠ざかっている。

 と書くとまるで買い要素がなさそうだが、8歳馬の割にキャリア28戦と思いのほか使われておらず、この28戦の中で前走が函館初参戦だった。当然上記のような成績なので人気はなかったが、そこで激走してみせたということは函館の洋芝が合っている可能性がある。

 陣営も前走を高く評価しており、洋芝への適性を感じ取ったようだ。調整も十分で上積みすらあると言い、さらに馬場が渋ればとまでコメントしている。戦績を見る限り重馬場適性がそれほど高くはないように感じるが、21年4月の3着がまさに不良馬場でもぎとったもの。時計勝負にも対応できるタイムを持っている一方で、意外にもパワー勝負になったレースでも好勝負してきたことから、開催最終日で馬場が渋るであろう今回は買えると見て「◎」とした。


「○」も人気薄の7番スマイルとする。

 前走は新潟大賞典。後方待機策でレースを進めたが、そのまま10着と大敗している。

 この馬は今年の頭に3勝クラスを脱出して、それ以降重賞を3つ使ってきたがいずれも見せ場なく負けている。だが、条件馬の頃はそこそこ堅実な走りをしており、勝ち味に遅かったが連続着外もないという中の上くらいの実力を示していたと見ている。

 近3走の重賞のうちAJCC(G2)と日経賞は格上すぎて長めの距離に対応できなかったのだろう。前走に関しては陣営もコメントしているが、速い時計に対応できなかったのがすべてのようだ。実際、2000m戦で2分を切るタイムで走ったことは1度しかない。それ以上の距離でも平均以下のタイムと言え、もし今回が良馬場確実であればノーマークだった。

 しかし、馬場悪化の可能性大となると話は変わる。パワーが必要な馬場であれば、この馬向きの展開になり得る。それが証拠に稍重馬場ではまったく走っていないのだが、重馬場ではきっちり勝ちを挙げており、半端に悪化した馬場では他馬にも出番があるのだろうが、重まで悪くなればこの馬も本領発揮できるのだろう。

 好走するためにはいろいろ噛み合ってこそ、という馬なのは陣営も認めており、そういう馬を押さえるのはリスクもあるが、元々荒れる重賞でかつ馬場状態がまともでないとなれば、こういう穴馬が激走することは考えられる。

「▲」は人気しそうだが、9番アラタを挙げる。

 前走は都大路S(L)。キャリア2度目となる逃げを打ち、直線でも粘っていたのだが不利を受けたこともあり5着に敗れている。

 前走は不利もありながら5着に粘ったこと、3走前に福島記念(G3)で3着に入っていることが評価されて人気しそうな気配。確かに評価できる部分ではあるが、それよりも陣営が語っているように昨年函館に参戦して連勝しており、洋芝への適性は十分なことを証明していることが強みだ。加えて、鬼というほどではないが、重馬場適性が高いことの2点で押さえたい1頭である。

 4歳シーズン初戦こそ大敗しているが、それ以降6戦すべてで馬券に絡んでいるだけでなく、4連勝を飾っているなど別馬と思えるような成績を残してきた。5歳初戦の金鯱賞(G2)は見せ場なしだったが、これも時計が速すぎた可能性がある。2000m1分59秒台の時計はあったが、金鯱賞は8着ながら1分58秒1と比較にならない高速決着だった。この馬も時計がかかる方が歓迎でき、今回はまさに出番となるのではないか。前走より1kg減で出られるのもいい方に作用しそうなので、人気でも押さえる必要があると考えている。


「△」は3番のフェアリーポルカ、人気の軸になりそうだが5番マイネルウィルトス、12番サンレイポケットの3頭を推す。

 フェアリーポルカの前走は福島牝馬S(G3)で後方待機策を採ったが、そのまま馬群に飲まれて8着に敗れている。

 マイネルウィルトスの前走は目黒記念で、中団から徐々に進出する流れで直線よく伸びて2着を確保。

 サンレイポケットの前走は鳴尾記念で、7番手から直線上がり33.6秒の鬼脚を繰り出して3着に食い込んだ。

 この3頭はすべて重馬場適性でピックアップした。不安を言えば、フェアリーポルカは早くからオープンで走っており、19戦の重賞を走っているがうち17戦が牝馬限定戦。牡馬混合戦をほとんど走っていない上に、走った2戦はいずれも大敗している。だが、重賞を2勝しているので、ハンデは見込まれており有利な条件とは言い難い。

 マイネルウィルトスは今の状態だと距離が短いのではないかという点がある。目黒記念と同距離のアルゼンチン共和国杯(G2)でも2着があり、元々は中距離が主戦場だったのだが、今はその中距離で結果が出ていない。

サンレイポケット

 サンレイポケットは実績で言えば天皇賞・秋(G1)とジャパンC(G1)で4着があるほか、新潟大賞典勝ち、毎日王冠(G2)と京都記念(G2)の3着など今回のメンバーでは最上位と言える。だが、そのためにトップハンデを背負うことになり、それがどう出るかが不透明だ。

 だが、3頭とも重馬場での実績がピックアップしなかった馬より抜けているので、積極的に買いたい馬ではないが、押さえる必要はあると見ての「△」である。

 ということで、今回は3番、5番、7番、9番、12番、14番の6頭で3連複BOX20点勝負とする。

 上位人気で決まってしまうとトリガミになる可能性もあるが、今回印を打った通りに来ればかなりの高配当まで見えてくる。

(文=トーラス神田)

<著者プロフィール>
 オグリ引退の有馬記念をリアルタイムで見ている30年来の競馬好き。ウマ娘キャラがドンピシャの世代。競馬にロマンを求め、良血馬にとことん目がない。おかげで過去散々な目に遭っている。そのくせ馬券は完全データ派。座右の銘は「トリガミでも勝ちは勝ち」。

 

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