5年目若手ジョッキー「単勝1.2倍」圏外ぶっ飛び…
またしても2歳戦の難しさを思い知った。
17日、小倉競馬場で行われた3Rの2歳未勝利(ダート1000m)は、2番人気のゴールデンウィンドが直線インから抜け出して勝利。デビュー戦は芝で9着だったが、初ダートで見事な変わり身を見せた。
騎乗した松若風馬騎手はレース後、「狭いところを割って伸び、いい内容で勝ってくれました」とコメント。父ドレフォン、祖母に南部杯(G1)などダート重賞5勝のゴールドティアラを持つ良血だけに、これからも砂の舞台で活躍してくれそうだ。
一方で、単勝1.2倍の圧倒的支持を集めたにもかかわらず、まさかの馬券圏外となる5着に敗れたのが、西村淳也騎手とゴッドセンド(牡2歳、栗東・浜田多実雄厩舎)のコンビだ。
メンバー的には確勝級のはずだったが……
アジアエクスプレス産駒の同馬は今月2日、今回と同じ小倉ダート1000mで開催された2歳新馬戦に出走。積極果敢にハナを奪い最後の直線に向くと、2番手追走のマルモリキングとマッチレースに。最後はクビの上げ下げで惜しくも2着に敗れていた。
しかし、3着馬には7馬身の決定的な差をつけており、また今回の出走メンバー中、前走で馬券圏内となる3着以内に好走していたのも本馬のみ。一本かぶりのダントツ評価を受けることになったのも当然か。
12頭によって争われたレース。ゴッドセンドはゲート内できょろきょろと左右を窺うなど集中に欠くしぐさを見せると、躓きながらスタートして2馬身ほど出遅れ。だが鞍上が手綱を激しく扱いたことで、4番手の外目まで盛り返す。
道中は3、4頭分外を回りながら最後の直線へ。一瞬は伸びてくるかのようにも見えたが、すぐに失速。みるみるうちに前との差を広げられると、前走では14馬身以上の差をつけて先着していたカシノビルボードにも完敗した。
鉄板級の馬が見せ場なく敗れ去ったことで、レース後のSNSやネット掲示板には「これ飛ばすとかありえん」「出遅れたからって焦りすぎ」「もう西村の馬券は買わない」など、西村淳騎手に対して厳しいコメントが寄せられたのも致し方なしか。
「厳しい結果になってしまいましたね。オッズがオッズなだけに、仮に負けることがあったとしても、せめて3着以内までには持ってきて欲しかったというのが、馬券を購入していた方々の本音なのではないでしょうか。
ただ、ゴッドセンドは前走も出遅れるなどゲートに不安を抱えていました。それを考えると結果論とはいえ、今回はやや人気になりすぎの嫌いもありましたか。1000mのレースであれだけ遅れてしまうと、騎手としてもどうにもならない部分もあるかもしれません」(競馬誌ライター)
実際に手綱を執った西村淳騎手もレース後、「駐立が悪くて躓きながらになりました。今日は仕方ないですね」とのコメントを残している。
デビュー5年目の西村淳ジョッキーは土曜終了時点で33勝を挙げて全国リーディング18位につけている期待の若手。今回は残念ながら結果を出すことができなかったが、次こそはきっちりと決めてくれることを期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。