酒井法子命名馬デビューへ。あの女優も名付け親の過去
かつて「マンモスうれピー」などの言葉で一世を風靡した、歌手で女優の酒井法子。1995年にはヒット曲「碧いうさぎ」でNHK紅白歌合戦にも出場している、日本を代表するタレントの1人だ。
そんなのりピーこと酒井法子が命名した競走馬スターマンモス(牝1歳)が来春、金沢競馬場でデビューを予定していることがわかった。
スターマンモスは父バトルプラン、母は地方競馬で通算9勝を挙げたオープンベルトという血統。近親にはレパードS(G3)などダート重賞5勝のグリムがいる。
『北國新聞』によると、オープンベルトはスターマンモスを出産してすぐに他界。酒井は亡き母馬のオーナーである坂本順子氏と親交があり、仔馬の境遇を知ったことで名付け親になったという。
本馬に関わる人たちの愛情にも感銘を受けたようで、酒井は「将来、金沢を代表する馬となり、全国の人に金沢競馬場のことをもっと知ってもらいたい」とコメントを寄せている。
「2つ上の姉スターフジサンは今年6月に行われた石川ダービー(G)で2着に入っており、父バトルプランもブレスジャーニーなどを輩出した意外性のある種牡馬だけに、一発の可能性も秘めているのではないでしょうか。
ちなみにスターマンモスの生産牧場は北海道新ひだか町にある藤川ファーム。他にもダート短距離戦線で活躍中のリュウノユキナなどを送り出しています」(競馬誌ライター)
ちなみに中央でも、馬主ではない著名人が名付け親となった馬は複数いる。有名なのは、酒井と同じ1971年生まれの女優・藤原紀香が命名したロイヤルキャンサーだろう。
藤原が6月生まれの“かに座”であることからその名が付けられたというロイヤルキャンサーは、平成初期から中期にかけて大旋風を巻き起こしたサンデーサイレンスの産駒。兄弟にはダートで6連勝したウインデュエルなど活躍馬がいる血統だ。
栗東の森秀行厩舎に所属し、2000年7月の福島競馬でデビュー。初戦は2着に敗れたものの、5戦目に初白星を挙げると、5歳時には蛯名正義元騎手(現調教師)とのコンビでNSTオープン(OP)を優勝している。
通算成績は72戦7勝。この名門らしく11歳に至るまで長きにわたって活躍を続け、生涯獲得賞金は約2億円。重賞タイトルには一歩届かなかったが、競走馬としては十分な成功を収めたといっていいだろう。
「有名人が名付け親となった例は他にも、ビートたけし氏のキタノコマンドールが近年話題になりましたね。同馬はすみれS(L)を勝って牡馬クラシックにも挑戦。日本ダービー(G1)では3番人気に推されました。
また、2009年には後に三浦皇成騎手と結婚するほしのあきさんが命名したハシッテホシーノが、フローラS(G2)で3着に入りオークス(G1)まで駒を進めています」(同)
酒井のスターマンモスは今後、育成牧場へと入厩し、年明けの能力検定試験に向けてトレーニングをスタートさせていくという。翌春、逞しくなった姿が競馬場で見られることに期待したい。
(文=冨樫某)
<著者プロフィール>
キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。