菅原明良「落馬」の悪夢再びも結果で語る姿に拍手喝采

菅原明良騎手

「おっと落馬!5番ジュンブルースカイ、スタート直後に落馬しています!」

 24日、福島競馬場で行われた10R白河特別(2勝クラス)での出来事。実況の通り、ジュンブルースカイに騎乗していた菅原明良騎手が、スタート直後に落馬し競走中止となった。

 同馬といえば、2歳時にはまだG3時代だった東京スポーツ杯2歳S(G2)で、後にG1馬となるダノンザキッド(1着)やタイトルホルダー(2着)らに次ぐ3着に好走した実績馬。ここ1年間は2勝クラスで足踏みが続いているものの、前走では上がり最速の3着に好走したこともあってか、最終的に1番人気に支持されていた。

 そんななかで起きたまさかのアクシデント。初騎乗だった菅原明騎手にとっては不運としか言いようがない。大事には至らなかったが、チャンスが大きかった馬だけに、悔しい思いもあっただろう。

 実は同騎手にとっては、これが福島開催で2度目の落馬だった。

 1度目は9日の阿武隈S(3勝クラス)に出走した2番人気シンハリングで、同じようにスタート直後に落馬している。その際も怪我はなく直後の最終12Rでも騎乗できたのだが、3番人気アウトパフォームで良い所なく7着に敗れ、バッドエンドな1日となった。

 それ以来しばらく勝利から遠ざかっていたものの、前日に1日4勝の固め打ちでようやく悪い流れを断ち切ったように思われたが、そんな矢先に訪れた今回の落馬だった。

 幸い今回も怪我はなく直後の11RジュライS(L)には騎乗できたものの、4番人気デュアライズに騎乗してスタートで出遅れ。最後まで良い所なく10着に敗れた。

 しかし、今回の菅原明騎手はこのままでは終わらなかった。

 最終12Rの1勝クラスでは3番人気オードゥメールに騎乗し、逃げ切りを図った1番人気のフラッシュアークを好位から差し切り勝ち。福島最終週の最終レースで見事なハッピーエンドを飾ったのだ。

「9日の阿武隈Sで落馬した際には、現地で観戦していたと思われるファンが載せた、険しい表情でスタンドの方を見ているかのような菅原明騎手の画像もSNSで見掛けました。勝ち負けを期待された人気馬での落馬だけに、本人も相当悔しかったのでしょう」(競馬誌ライター)

 だが、今回は最終レースでの口取り式後に「10Rはすいませんでした」と頭を下げた真摯な姿勢に、観客から拍手が沸き上がった。前回の苦い経験を糧にして冷静さを保っていたからこそ、最後の勝利に結びついたのかもしれない。

 再度の落馬にも屈せず、悪い流れを自ら断ち切った菅原明騎手。「この男はまだまだ伸びる」そう感じさせる瞬間だった。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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