牝馬クラシックは「原石の宝庫」新潟デビューが熱い

 福島開催も終わり、今週末から新潟開催がスタート。夏の風物詩でもある直線競馬のアイビスSD(G3)や大波乱決着となることも多い新潟記念(G3)など、9月1週目まで楽しみな重賞も控えている。

 そんな新潟開催の2歳新馬もまた楽しみの一つ。近年は多くの馬が新潟デビューから大舞台へ羽ばたいた。

 なかでも、顕著なのが牝馬。近年の牝馬クラシックを振り返っても、新潟デビューの馬が多くいる傾向に気づかされる。

 今春に牝馬2冠を達成したスターズオンアースをはじめ、昨年の秋華賞(G1)を制したアカイトリノムスメ、2018年に牝馬3冠を達成したアーモンドアイなども、新潟デビュー後に大きく飛躍した馬である。

 また、サークルオブライフやラッキーライラックなど2歳時に阪神JF(G1)を制したG1馬たちも新潟デビュー組なのだから、より注目度は増してくる。

 そして、今週の新潟開幕週にも期待高き牝馬たちがデビューを控えている。今回は注目の牝馬3頭を紹介したい。

■30日(土)新潟5R 芝1600m

・リバティアイランド(牝2、栗東・中内田充正厩舎)

川田将雅騎手

 鞍上は川田将雅騎手。父ドゥラメンテ×母ヤンキーローズという血統で、一つ上の姉に2019年のセレクトセールで金子真人オーナーが2億2680万円(税込)で落札したロムネヤがいる。姉は現在1勝クラスにいるが、新馬は勝っているだけに本馬も初戦から楽しみ。

 また川田騎手と中内田厩舎のコンビといえば、牡馬ではダノンプレミアムやグレナディアガーズで朝日杯FS(G1)を勝っているものの、未だ牝馬でのG1勝利はない。厩舎悲願のクラシック制覇に向けて、期待を背負いそうな1頭でもある。

・モリーダーリン(牝2、美浦・国枝栄厩舎)

 鞍上は戸崎圭太騎手。父ハーツクライ×母マルケサという血統で、新馬戦を圧勝した兄トラインや堅実な走りをする姉ビューティフルデイはともにオープンクラスで現在も活躍中。他の兄姉たちも初戦からいずれも好走しているだけに、デビュー戦から好勝負出来そうな器である。

 管理する国枝調教師も『日刊スポーツ』の取材に「伸びのあるゆるやかな体つきで、ゆくゆくは千六以上だろうと思う」と話しており、マイル以下の距離で活躍が目立つ兄姉より距離の融通も利きそうだ。

■31日(日)新潟6R 芝1400m

・エメイヴェイモン(牝2、栗東・中竹和也厩舎)

福永祐一騎手 撮影:Ruriko.I

 鞍上は福永祐一騎手。父ハーツクライ×母ルシュクルという血統で、海外重賞で3着したエントシャイデンや重賞3勝のビアンフェを兄に持つ。母ルシュクルも現役時代はファルコンS(G3)で3着した実績があり、血統背景からもマイル以下の距離で高いパフォーマンスを発揮できそう。

 ただ、陣営はYouTubeチャンネル『東スポレースチャンネル』のインタビューで「距離が延びても保つような気がします」と話しており、場合によっては長い距離にも挑戦することになるかもしれない。勝ち上がりさえすれば、引退した兄姉含めほとんどがオープンクラスまでいっており、今後の可能性という意味でも楽しみな存在だ。

 以上、今週末の新潟でのデビューを控える期待の2歳牝馬たちを紹介した。

 来週以降も多くの牝馬がデビューすると思われるが、上記3頭も含め新潟開催に登場する牝馬のなかに、来年のクラシックを沸かせる原石がいるかもしれない。

(文=ハイキック熊田)

<著者プロフィール>
 ウオッカ全盛期に競馬と出会い、そこからドハマり。10年かけて休日を利用して中央競馬の全ての競馬場を旅打ち達成。馬券は穴馬からの単勝・馬連で勝負。日々データ分析や情報収集を行う「馬券研究」三昧。女性扱いはからっきし下手だが、牝馬限定戦は得意?

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