あのアイドルホースにアクシデント!? デアリングタクト復活もシーザリオは引退

メロディーレーン 撮影:Ruriko.I

 翌週の札幌記念(G2)は、白毛のアイドルホース・ソダシを含む豪華メンバーが集結することで大きな話題を呼んでいる。

 ただその一方でもう1頭の“小さな”アイドルホース・メロディーレーン(牝6、栗東・森田直行厩舎)もまた札幌競馬・最終週の丹頂S(OP)に出走予定ということで、北の大地のファンは密かに期待を寄せていたはずだ。

 しかし、栗東で調整中であったメロディーレーンに、思わぬアクシデントが発生してしまった。レックスのホームページに11日付で掲載された森田師のコメントには以下のように記されている。

「日曜日の調教では問題ありませんでしたが、昨日の午後に腫れが出ました。獣医師に診てもらったところ、繋靭帯炎の手前くらいの症状で、程度としては軽いそうなんですが、無理せず休ませた方がいいとのことでした。」

 今後は大事をとってノルマンディーファーム小野町に放牧に出されるとのこと。大きな怪我に繋がる前段階で故障に気づけたことは幸いだが、これにより当初予定していた丹頂Sへの出走は難しくなってしまった。

 気がかりなのはメロディーレーンの怪我の容態である。繋靭帯炎といえばかつてアドマイヤベガやシーザリオ、近年ではフィエールマンを引退に追い込んだように、競走馬にとっては致命傷となり得る故障だからだ。

デアリングタクト

 思えば無敗の3冠牝馬・デアリングタクトが1年以上の長期休養を強いられたのも、この繋靭帯炎を発症したことが原因であった。今春のG1戦線では素晴らしい走りを見せて復活を果たした同馬だが、怪我の内容を考えればターフに帰ってきたこと自体が“奇跡”と言われた程である。

怪我の容態次第では「現役引退」の判断も…

 幸い、森田師のコメントでは軽症との話だが、メロディーレーンは現在6歳。一般的に考えれば競走馬としてのピークが過ぎていてもおかしくない時期である。今後の怪我の容態次第では最悪の場合「現役引退」の判断を下される可能性もあるかもしれない。

「ファン投票で今年の宝塚記念(G1)にも出走したメロディーレーンですが、未勝利以外の勝利はすべて芝の2600m以上という極端なステイヤーです。

ちなみに2600m以上に当てはまるJRAの古馬混合OPクラスのレースは、全て合わせても8つのみ。このうち現実的にメロディーレーンが勝利を狙えると思われる非重賞のレースは万葉S(OP)、大阪-ハンブルクC(OP)、札幌日経OP(L)、丹頂Sの4つに限られています。

今回予定されていた丹頂Sは、そんなメロディーレーンが能力を全開できる数少ないレース。目下の課題となる賞金の上積みの大きなチャンスだっただけに、今回の故障は陣営にとっても頭が痛いところだと思います」(競馬誌ライター)

 その愛らしいルックスとは裏腹に、パワフルなステイヤー気質の走りから絶大な人気を誇るメロディーレーン。仮に引退することとなっても方々から引く手数多となるはずで、セカンドキャリアに関する心配は無用であろう。

 だがファンとしては、まだまだターフを一生懸命に駆けるメロディーレーンの姿を見たいところ。まずは怪我を直して、再び競馬場でその姿を見られる事を願いたい。

 

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