大器エスコーラ「苦戦」も4連勝でオープン入り! 福永祐一「ポテンシャルとスケールを感じる」気になる次走は…
14日、小倉競馬場で行われた不知火S(3勝クラス)は、1番人気のエスコーラ(牡4歳、栗東・中内田充正厩舎)が快勝。単勝1.5倍という圧倒的な人気に応え、4連勝でオープン入りを決めた。
主戦の川田将雅騎手が関屋記念(G3)のダノンザキッドに騎乗するため、鞍上は福永祐一騎手が務めたエスコーラ。ゲート内で立ち上がったトウシンモンブランが落ち着くのを待ってからのスタートとなった影響もあって、やや出遅れ気味。だが、レース後「いい位置で競馬ができました」と振り返った福永騎手は慌てず、行きたい馬を行かせる形で好位につけた。
1000m通過が62秒ちょうどというスローペース。3コーナー付近で進出を開始し、4コーナーで外から先頭集団に並びかけるレース運びは、主戦の川田騎手が作り上げたこれまでの勝ちパターンと全く同じ。しかし、この日はやや伸びを欠き、最後の直線を迎えた際は逃げるシャフトオブライトとまだ2馬身ほどの差があった。
スローペースということもあって、なかなか前が止まらなかったが、最後はねじ伏せるように突き抜けると、2着ウインリブルマンに1馬身差をつけたところがゴール。休養を挟みながら4連勝を飾った大器が、待望のオープン入りを決めた。
「姉にエリザベス女王杯と有馬記念(いずれもG1)で2着したサラキア、兄に朝日杯フューチュリティS(G1)勝ちのサリオスがいる良血というだけでなく、昨年は未勝利戦でこの小倉・芝1800mの日本レコードを叩き出し、大きな注目を集めている馬です。
ここまで間隔を空けながら慎重に使われてきており、川田騎手も最小限の力で勝つようなレースを重ねてきました。ただ、この日はちょっと苦戦したこともあって、久々にムチが入っていましたね。鞍上がムチを使ったのは、おそらくデビュー戦以来のことだと思います。これでオープン入りを果たしましたし、今後がますます楽しみになりましたね」(競馬記者)
レース後、福永騎手が「(これまでより苦戦したのは)身体もあるけど、まだまだ成長過程」と相棒をフォローしたように、この日は+18キロとやや太目残り。勝負どころの3、4コーナーの反応もやや鈍い印象だった。
今回はムチを使用するなど、これまでよりもダメージの大きいレースとなったが、前出の記者が「ムチを入れられて、明らかに反応が変わった」と話している通り、きっちりと勝ち切ったことに意味のある一戦だった。
「それ(成長途上)でオープンまで行けるのだから、ポテンシャルとスケールを感じます」
気になる次走については…
レース後、改めてそうエスコーラを褒め称えた福永騎手。次走はおそらく主戦の川田騎手に戻ると思われるが、福永騎手にとっても警戒すべきライバルになったはずだ。
気になる次走について現段階で具体的な発表はないが1600mや1800mを使われていることから、秋には毎日王冠(G2、1800m)や富士S(G2、1600m)といったG1の前哨戦で、いよいよその姿が見られるかもしれない。
またポートアイランドS(L、1600m)やカシオペアS(L、1800m)といったところを使って、これまで通りじっくり行く可能性もありそうだ。いずれにせよこの馬の場合、まずは自分との闘い。順調にレースを使えるようになることが、出世の早道になるのは間違いないはずだ。