【北九州記念(G3)予想】ナムラクレア・アネゴハダは余裕の切り!前走データから拾った「走り頃」の穴馬で10万馬券を狙う!
今回はサマースプリントシリーズも折り返しの第4戦・北九州記念(G3)を予想していく。
いつものようにまずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていく。
アイビスSD 8頭
CBC賞 7頭
バーデンバーデンC(OP)、佐世保S(3勝クラス・佐世保特別含む) 各4頭
高松宮記念 2頭
オークス、葵S、NST賞(OP)、水無月S(3勝クラス)、九州スポーツ杯(2勝クラス) 各1頭
となっている。手頃なレース間隔で同じサマースプリント重賞ということもあって、アイビスSD(G3)とCBC賞(G3)からの転戦が多い。G3格付けの割りに条件戦からの転戦馬が少ないので、レースレベルが決して低くはないということなのだろう。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 0-3-0-7
2番人気 1-0-2-7
3番人気 1-1-1-7
4~6番人気 3-3-3-21
7~9番人気 5-0-1-24
10番人気以下 0-3-3-74
となっている。とにかく上位人気がアテにできない。近5年でも1番人気2着1回、2番人気3着1回、3番人気1勝2着1回と馬券には絡んでいるが、そろって馬券になった年が一度もないので、来ないと思って押さえる程度にすべきだろう。中穴馬がしれっと馬券にからみ、さらに7番人気以下の穴馬が跳梁跋扈する厄介な傾向があるので、人気がないからと言って早々に切ってしまうのは禁物といえる。
これを踏まえて「◎」は人気の盲点になりそうな7番シンシティとする。
前走はアイビスSD。外枠から逃げを打って最後に勝ったビリーバーに交わされ2着に終わった。
元々はダートのスプリント戦が主戦場だった馬だが、成績が頭打ちになってきたところで芝へ。韋駄天S(OP)を使ったら意外に走ったので、重賞のアイビスSDへ出走を決めた結果またも好成績だった、というのがこの馬の現状と言える。
父サウスヴィグラスの産駒は圧倒的にダート馬が多く、延べの勝ち星もダート約600勝に対して芝はわずか18勝という極端な偏りを見せている。したがって、この馬がダートを使われてきたのはごく当然の流れだったわけだが、母系は芝向きに出たこともあり、これが父の産駒にして初めて芝重賞での連対を果たした原因になったとも言える。
ダート出身ながら、アイビスSDでは54秒台の標準的なタイムで走破しており、潜在的なスピードには確かなものがある。距離自体はもともとスプリント戦を使われてきたので問題ないはず。加えて前走重賞2着だったにもかかわらず1kg減と恵まれたことも大きい。千直に続いて芝のスプリント戦でも一発ある可能性は十分だ。
「○」は人気しそうだが、3番のタイセイビジョンを挙げたい。
前走はCBC賞で、後方待機策を採って直線で猛然と追い込んだが前が止まらず2着になった。
CBC賞の予想でもこの馬に印を打ったが、近5走の充実振りはやはり目を見張るものがあり、重賞勝ちこそないが前走2着、5走前の京阪杯(G3)2着と好走している。前走は勝った馬の斤量が軽すぎた。ハンデ差9kgでは斤量差に泣いたといえよう。
難があるとすれば陣営も指摘しているが、この脚質にある。どうしても前で控えて抜け出すという競馬ができず、後方待機になってしまう。展開がハマれば豪快な差し切りを見せられるのだが、往々にして差して届かずになりがちだ。このレースは前に残りやすい傾向はあるが、一方で前が速すぎて自滅し、差し馬天国になった年もあるので、一概に後方待機にチャンスがないとは言い切れない。
軽ハンデの馬が来やすい印象はあるが、57kgがそれほどに不利になるというわけでもなく、現在の充実した状態であれば勝ち負けまであると見て押さえたい。
「▲」は穴馬14番ディヴィナシオンを推す。
前走は佐世保S。中団からの競馬で直線に入って外から追い上げ、前で粘っていた馬をゴール前交わして勝利した。
メンバー中唯一の条件戦勝ち上がりで挑んできた馬。5歳で35戦とかなり使われているが、勝ち味に遅すぎたのが原因。未勝利脱出に5戦はまだいいとして、ここから1勝クラスの脱出に17戦もかかっている。さらに2勝クラスの脱出に11戦。キャリアの大半は条件戦でくすぶっていたわけだ。しかし、3走前で2勝クラスを脱出すると、わずか2戦で3勝クラスを脱出してみせた。ようやくここで実が入ってきた、ということなのだろう。
条件戦を使われてきたので、持ち時計も大したことがないと思いきや、前走は1200mを1分7秒1の好タイムで勝利している。時計勝負になっても十分対応できるだろう。また小倉1200mとの好相性も見逃せない。5戦して1勝2着2回。残る2回も掲示板に載っており、この2回については馬場が渋っていたので原因ははっきりしている。
ハンデは見込まれた感はあるが、54kgなら普通の牝馬並みの斤量。今の流れであれば大駆けがあっても不思議はない。
「△」は人気サイドだが4番テイエムスパーダ、人気薄の11番チェアリングソング、13番ファストフォースの3頭を挙げる。
テイエムスパーダの前走はCBC賞。言うまでもなく今村聖奈騎手を背にあれよあれよと逃げ切り、1分5秒8のスーパーレコードで勝利した。
3歳牝馬ということで春先はクラシックを意識したのが裏目に出たが、これがウソのような快進撃を見せている。この勢いで重賞連勝は十分考えられるが、このレースも軽ハンデすぎる馬が来ないという傾向がある。今回は51kgだが、この斤量で馬券に絡んだのは過去10年でわずか2頭。これがどう出るか。陣営が前走を評したように、すべてが噛み合えば……という感じか。
チェアリングソングの前走は福島テレビオープン(OP)。後方待機策から大外を通ってよく追い込んだが、前が止まらず3着まで。
この馬も勝ち味に遅い馬で、5歳の今年になってようやくオープン入り。だが、オープンの壁にぶち当たっていた感があり、前走でようやく突破の糸口が見えてきたようだ。好走しているときと、まったくダメなときがはっきり分かれており、流れから言えば今は調子が良い時期に入っているように思える。
前走できっかけを得たと考えれば、ここで人気薄の大駆けを演じる可能性は十分に考えられる。重賞常連組に比べれば格下だが、その格下の一発に期待したい。
ファストフォースも前走はCBC賞。前目追走だったが前が速すぎて止まらず、逆にこちらの脚が上がってしまい、12着に大敗している。
陣営も時計が速すぎたことや勝ち馬との斤量差に加えて、レース前の落鉄に敗戦の原因を求めており、今回は「馬場が荒れてきた」と魅力を感じているようだ。前走の大敗で「小倉1200m巧者」とまでは言えなくなってしまったが、それでも昨年はCBC賞を勝ち、このレースでも2着に入るなど巧者ぶりを発揮。
斤量は据え置きになったが、軽ハンデの馬が必ずしも有利に働かないこのレースで再度見直したい。
人気どころでは2番アネゴハダと、16番ナムラクレアを切り。
アネゴハダの前走もCBC賞で、勝ったテイエムスパーダ同様軽ハンデを活かして前残りしてみせて3着と健闘した。
重賞勝ちこそないが、小倉2歳S(G3)とフィリーズレビュー(G2)に3着の好走歴がある実力馬。前走はまさに「軽すぎた」わけだが、陣営からは「時計が速すぎた」と気になるコメントが出ており、途中で一服入れていることが伝わっている。そこから立て直してデキの良さを強調しているが、どこまで信用できるか。
加えて今回も斤量据え置きで出てくるが、上でも何度か触れているように軽ハンデ馬が必ずしも有利なレースではない。CBC賞ではこのデータがアダになって予想も大ハズレしたのだが、今回は「中間の一頓挫」があっただけに過信できない。また枠順も内枠不利な傾向があるので、今回こそは用なしだろう。
ナムラクレアは前走・函館SS(G3)。こちらも軽ハンデを活かして前目から抜け出し圧勝劇を演じている。
昨年の小倉2歳Sの覇者であり、その後もファンタジーS(G3)やフィリーズレビュー2着、桜花賞(G1)3着など世代を通じて実力上位の馬と言える。斤量は前走から3kg増ではあるものの、それでも53kgは苦にするような重さではない。
敢えての切りなのは、まず函館SSからの転戦馬に好走例がないこと。あと斤量に関して上でも書いたとおり53kgは決して重いわけではないが、3歳牝馬で括ると53kg以上で馬券に絡んだ例がない。
もちろん、能力はメンバー中随一なのであっさり来てしまう可能性も十分にあるのだが、少なくとも北海道シリーズからいきなり酷暑の九州に転戦して好走した例がない以上、この馬が小倉巧者だったとしても割引は必要。一本被りする可能性も考えて、ここは敢えて切ってしまう選択をした。
ということで、今回は3番、4番、7番、11番、13番、14番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。二ケタ人気濃厚の馬も含んでいるので、組み合わせ次第では10万馬券も夢ではないはずだ。