タイトルホルダーの「次」は、この馬!? 札幌記念(G2)ソダシに恥をかかせた桜花賞馬の息子が堂々のデビュー勝ち!

横山和生騎手 撮影:Ruriko.I

 20日、札幌競馬場で行われた新馬戦は、1番人気のドルチェモア(牡2歳、栗東・須貝尚介厩舎)が勝利。2013年に桜花賞(G1)を制したアユサンの息子が、堂々のデビュー勝ちを果たした。

 12頭立て、芝1500mのレース。好スタートを決めたドルチェモアは、スピードの違いでそのままハナへ。ミルトクレイモーに鈴を付けられる展開となったが、鞍上の横山和生騎手が上手くスローペースに落とし込むと、抜群の手応えで最後の直線へ。鞍上からムチが飛ぶと、一気に後続を突き放してレースを決めてしまった。

「強い内容でしたね。全兄のエンギダルマも良い馬なんですが、デビュー戦でオニャンコポン(京成杯)、続く未勝利戦でスターズオンアース(桜花賞、オークス)と当たって連敗……。クラシック出走が懸かったスプリングS(G2)でも4着と、その名に反してとにかく運がない馬。だから妹がすんなり1勝を挙げられてよかったです。

須貝調教師も『体が緩かった』と話していたように、入厩当初はもう少し時間が掛かると思っていたのですが、ここに来て良くなってきました。母のアユサンは桜花賞馬ですし、1週前の追い切りでは明日の札幌記念(G2)に出走予定のソダシを煽るほどの動きを見せるなど、陣営の期待も高い馬。危なげなく勝てましたし、今後が楽しみな1頭ですね」(競馬記者)

 芝1500mといえば札幌しか施行されないマイナーな距離だが、タワーオブロンドン(スプリンターズS)や昨年のウォーターナビレラ(ファンタジーS)など、近年はこの距離からスタートする有力馬も増えている。須貝調教師が「マイル前後がいいと思う」と話しているように、今後しばらくはマイル路線を歩みそうだ。

タイトルホルダーの「次」は、この馬!?

 その一方で、レース後「『結果』が欲しいと思っていました」と話していたのは、ドルチェモアをデビュー勝ちに導いた横山和騎手だ。秋には凱旋門賞(仏G1)が控えているタイトルホルダーの主戦騎手が、来春はこの馬と共にクラシックへ乗り込んでくるかもしれない。

「今、タイトルホルダーと共にブレイク中の横山和騎手ですが、実は今年でデビュー12年目という苦労人。横山典弘騎手の息子として注目されてデビューしましたが、年間1ケタ勝利が2度あるなど決して順風満帆というわけではありませんでした。

ただ、そういった苦労を知っているからこそ、言葉の端々に現状に満足しない姿勢がうかがえます。昨年、エフフォーリアと共に一足早く大ブレイクした弟の横山武史騎手ですが、今年はエフフォーリアの不調も相まってここまで重賞1勝と苦戦しています。兄の和生騎手もタイトルホルダーに続く“二の矢”が欲しいと思っていると思いますよ。そういった意味でも、ドルチェモアとの出会いは小さくないきっかけになるかもしれません」(別の記者)

「逃げて結果が出たので(今後に向けた)課題はありますが、良いものを持っているのは見せてくれました」

 レース後、そう語った横山和騎手。期待しているからこそ「勝って兜の緒を締めよ」ということなのだろう。注目の次走だが、須貝調教師によると放牧には出さずに栗東へ戻るとのこと。順調にいけば、近いうちに2戦目が見られるかもしれない。

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