春G1で18番人気「153万馬券」演出のカワキタレブリー登場も不安大!? 元祖・大穴ムラマサノヨートー「その後」のドロ沼…

カワキタレブリー 撮影:Ruriko.I

 28日、新潟9Rで五頭連峰特別(2勝クラス)が開催される。

 現時点で12頭登録されており、中には春のクラシックで期待がかけられたルージュラテールの名前が見られ、人気の中心になるであろう2戦2勝のロールアップも含めて、秋に向けて注目しておきたい3歳馬が中心となる一戦になりそうだ。

 そんなレースに、あの大穴馬が登場予定だ。そう、3歳マイル王決定戦NHKマイルC(G1)で単勝229.1倍の最低人気ながらダノンスコーピオンの3着に突っ込んで3連単153万馬券を演出したカワキタレブリー(牡3、栗東・杉山佳明厩舎)である。

再び大舞台で“夢”を見るため「正念場」の一戦

 NHKマイルCでは出遅れ、同じく出遅れた2着のマテンロウオリオンと後方待機策を採って直線までじっと待ち構える競馬。直線に入って先行勢が脱落していく中、マテンロウオリオンが外から、内にダノンスコーピオンがいる間で脚を伸ばし、1番人気のセリフォスを競り落としてクビ+クビ差の3着に割って入った。

 そんなG1級の走りを見せたカワキタレブリーではあるが、実のところ新馬戦と条件特別を勝っただけの2勝馬。デイリー杯2歳S(G2)で3着の実績はあるが、2走前のアーリントンC(G3)で11着と大敗しており、G1で3着に入った実力馬なのは間違いないものの賞金加算ができていないので、条件的には2勝クラスである。

 春はG1の大舞台で大きく存在感をアピールしたカワキタレブリーだが、ここまで9戦2勝と、どうしても勝ち味に遅い点は否めない。仮にここを落とすようなら、秋の大舞台でその名を目にすることは一気に難しくなるだろう。

 このカワキタレブリーとよく似た境遇の馬が、かつていた。2007年ピンクカメオが勝ったNHKマイルCで最低人気ながら3着に突っ込んできて3連単973万円、3連複でも122万円の超大穴を開ける片棒を担いだムラマサノヨートーだ。

 NHKマイルCまでの道のりはカワキタレブリーよりさらに低レベルで、ダートの未勝利戦を勝ち上がったあと4戦続けてダートの条件戦を使われ、芝に戻した5戦目でようやく2勝目。権利獲りのためにニュージーランドT(G2)へ出走するも14着と大敗……。

 抽選で運よく滑り込んだNHKマイルCで、まさかの激走をしてみせたのだ。

 この馬の場合、NHKマイルCのあと休養に入らず、1000万下(現2勝クラス)を使って昇級を狙うも7着に惨敗している。さらにラジオNIKKEI賞(G3)に出走して10着に敗れ、再び自己条件に戻るも6着に敗退。中1週で臨んだ条件特別をようやく勝って、3勝目をマークしたものの3勝クラスで再び苦戦を強いられている。

 さらに、当時はまだ降級制度が存在していたため、翌年再び2勝クラスに舞い戻ると、ここを脱出するのに2年。その年のうちに1600万下条件(現3勝クラス)も勝ってオープン入りするが、結果的にオープンでも重賞でも再び輝きを放つことができなかった。

 このムラマサノヨートーに比べれば、カワキタレブリーは重賞での好走実績もあり、NHKマイルCでの激走がフロックだったかどうかは判断し難いところがある。

『netkeiba.com』の予想オッズでは上記の無敗馬ロールアップに続く2番人気と、NHKマイルCの激走が評価されているようで、東京マイルと同じ左回りのマイル戦に高い適性があると考えられているようだ。

 再び大舞台で“夢”を見るためには、まさに「正念場」の一戦。順当に勝ち上がれば秋に向けて視界が広がってくる一方で、2着でも取りこぼすとムラマサノヨートーのような条件戦をウロウロする未来が待っているかもしれない。

 NHKマイルCでは、全国の競馬ファンをアッと言わせた個性派。G1 3着の“金看板”に恥じない走りを期待したい。

ゴースト柴田

競馬歴30年超のアラフィフおやじ。自分の中では90年代で時間が止まっている
かのような名馬・怪物大好きな競馬懐古主義人間。ミスターシービーの菊花賞、マティリアルのスプリングS、ヒシアマソンのクリスタルCなど絶対届かない位置からの追い込みを見て未だに感激できるめでたい頭の持ち主。

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