タイトルホルダー、ドウデュースに最強の刺客!「出す気はない」最強馬陣営が心変わり…参戦見送りでも避けられない過酷な現実
タイトルホルダー、ドウデュースなどが出走を予定している凱旋門賞(仏G1)に風雲急を告げる報せが届いた。
バーイード(牡4、英・W.ハガス厩舎)陣営によると、追加登録で凱旋門賞に参戦するかもしれないというのだ。
本馬は、ここまでG1・6連勝を含む10戦無敗。7月のサセックスS(英G1)までマイルのG1を5連勝し、芝2050mに距離を延ばした8月の英インターナショナルS(英G1)でも、2着馬に6馬身半差の圧勝。9連勝していたマイル戦を上回る強さを見せたことで、名実ともに欧州最強馬の呼び声が高い。
「出す気はない」最強馬陣営が心変わり…
距離延長の懸念が解消したこともあり、凱旋門賞への出走が取り沙汰されたものの、当時の陣営は「出す気はない」と一蹴。オーナーサイドが出したいと言わない限りは、英チャンピオンS(英G1)に向かうことが濃厚と見られていた。
しかし、バーイードの次走がラストランとなることもあってか、凱旋門賞への参戦も選択肢の一つに加わったようだ。
これを受けて大手ブックメーカーもすぐに反応。それまで1番人気候補だったタイトルホルダーを押しのけて1番人気に急浮上し、最強馬陣営による突然の心変わりは、状況を一変させた。
「バーイードがこのまま参戦するようなら、日本馬にとって最大の脅威となることは間違いありません。マイル戦ばかりを使われていたこともあって、距離の克服が注目されましたが、ここまでのレースで最大となる着差の勝利には唖然としました。
負かしたミシュリフは、昨年のドバイシーマクラシック(G1)でクロノジェネシスやラヴズオンリーユーを撃破した世界トップクラスの実力馬。そして、前年の優勝馬でもありました。そんな強敵を全く問題にしなかった訳ですから」(競馬記者)
距離の克服どころか、距離が延びてさらに強かったのだから、芝2400mの凱旋門賞に色気が出ても不思議ではない。まだ参戦が確定した訳ではないものの、もし出てくるようなら日本馬にとって「ラスボス」といっていい存在となるだろう。
ただ、日本馬にもチャンスがないこともない。
なぜならバーイード陣営から「馬場が悪くなるようなら走らせたくない」というコメントが出ているからだ。「決定するのはレースに近い時期になる」らしいため、最終的な決断はもう少し先になりそうだが、馬場次第では出走しないこともあるだろう。
かといって、仮にバーイードが参戦を見送るような馬場になった場合、軽い馬場に適性のある日本馬にとっても、歓迎できないことは確か。良好な馬場が望ましいとはいえ、そうなるとバーイードが立ちはだかる可能性が高い。いずれにせよ難しい状況にあることは間違いなさそうだ。
勿論、バーイード陣営の突然の心変わりは想定外だったが、これを真っ向勝負で負かすことができれば、歴史的な快挙の価値は計り知れない。
降って湧いたような逆境を跳ね返し、今年こそ日本競馬の悲願といわれる注目のレースで、勝利の凱歌を挙げることが出来るだろうか。