川田将雅×中内田充正「単勝1.3倍」撃破の大波乱! G1史上3位の超高額配当を演出した「あの名牝」の近親がいきなり激走デビュー!
18日、中京4Rに行われた2歳新馬戦(ダート1400m)は、12番人気の伏兵ルーカスミノル(牡2歳、栗東・本田優厩舎)が直線好位から抜け出して優勝。低評価を覆す力走で白星スタートを決めた。
この日のメイン・ローズS(G2)を勝ったアートハウスと同じ川田将雅騎手×中内田充正厩舎コンビのディキシーガンナーが、単勝オッズ1.3倍の圧倒的支持を集めていた一戦。
一方のルーカスミノルは、手綱を務める荻野極騎手がここ2ヶ月間勝ち星から遠ざかっていたこともあってか、単勝92倍のブービー人気に甘んじていた。
13頭立ての3番枠からスタートを決めたルーカスミノルは、鞍上が手綱を押して好位2番手へ。前半600m通過は34秒6の流れ。4コーナーをやや追っつけながら回って最後の直線に入る。
残り400mを切って外から人気のディキシーガンナーが並びかけてくると、そこからもうひと伸び。最後は、逆に2馬身突き放す強い内容で波乱を演出している。
「勝ち時計の1分25秒7は、良馬場で行われた中京ダート1400mの2歳新馬戦で歴代最速のタイムだっただけに中身も文句なし。個人的には人気こそなかったものの、決してフロックではないと思います。
510キロの馬体も、パドックを見る限りまだ余裕があるように映りました。ここを叩かれての上積みにも相当期待できそうです」(競馬誌ライター)
超人気薄が大本命を撃破したことで、レース後のSNSやネット掲示板などに「まさかブービー人気が単勝1.3倍に勝つとは」「この激走は読めなかった」などといったコメントが寄せられたのも当然か。
ただ、シャンハイボビー産駒の本馬は、2007年のヴィクトリアマイル(G1)を勝った名牝コイウタと同じ一族にあたる。近親にマイル女王が名を連ねているのだから、血統的には好走できる下地もあったかもしれない。
ちなみに、そのコイウタは、G1を制する前年にクイーンC(G3)を優勝。牝馬クラシック第一弾の桜花賞(G1)でもキストゥヘヴンから0秒1差の3着に好走している。
しかし、オークス(G1)では3角で右肩ハ行を発症し競走中止。その後も秋華賞(G1)17着、ダートのクイーン賞(G3)で13着など精細を欠いていたこともあり、ヴィクトリアマイルでは12番人気の低評価だった。
「今回のルーカスミノルも同じく12番人気だっただけに、なにかしら符号めいたものも感じますね。もしかすると人気薄での激走は、この“血”のなせる業なのかもしれません。
ちなみにコイウタが勝ったヴィクトリアマイルは2、3着にも人気薄が飛び込むなど大荒れ。3連単228万3960円は当時のG1で史上3位の高額配当だったことでも話題になりました」(同)
そんなコイウタの近親ルーカスミノルで久々の勝利をあげた荻野極騎手はレース後、「驚くほど上手に立ち回れた。幼さが抜ければもっと走れると思う」とセンスの高さを大絶賛した。
次走は未定のようだが、ダートの短い舞台でこれから面白い存在になれるかもしれない。人気になりにくそうなタイプだと思われるだけに、引き続き注意してみたい1頭だ。