安藤勝己氏「ピークを超えとる」発言に疑惑再燃…エピファネイア最高傑作に続いた逆風の嵐、「躓くタイミング」に不可解な共通点
エピファネイア産駒に対する“早熟説”が、とうとう現実味を帯びてきた。
一部のファンの間でまことしやかに囁かれていたこの疑惑だが、先週末のオールカマー(G2)に出走したデアリングタクトが6着に敗れたことで、より信憑性を増すことになった。
これには、元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のTwitterで「デアリングタクトはピークを超えとる。枠とか馬場だけやない感じやね」とバッサリ。3番枠までの3頭が上位に入ったように、後方から外を回した馬にとって不利な展開だったことについても、直接的な敗因との関連性が薄いといったニュアンスの見解である。
日本を代表する競馬評論家の一人である安藤氏の言葉に戸惑うファンも続出、賛否両論が沸き起こったのも当然かもしれない。
勿論、エピファネイア産駒のデビューが2019年ということもあり、結論を出すには時期尚早かもしれないが、少なくともこういった噂がされてもやむを得ない状況であることも確かだ。
「躓くタイミング」に不可解な共通点
産駒全体の成績を振り返っても、3歳秋をピークに勝利数は伸び悩みを見せており、これを重賞に限定した場合、さらに顕著な傾向が明らかになる。
先週末の開催終了時点で産駒による重賞勝利の内訳はエフフォーリア4勝、デアリングタクト3勝、サークルオブライフ2勝、アリストテレス1勝の計10勝。古馬になっての重賞勝ちは、アリストテレスがアメリカジョッキークラブC(G2)で挙げているが、4歳1月でのもの。
この勝利で天皇賞・春(G1)の大本命として期待を背負ったものの、断然人気に支持された次走の阪神大賞典(G2)を7着に敗れてから別馬のように低迷を続けている。奇しくもこれは、4歳4月の大阪杯(G1)を9着に敗れたエフフォーリア、4歳3月の金鯱賞(G2)でギベオンに単勝万馬券の金星を献上したデアリングタクトと似たような時期だった。
どうにもこうにも不可解ではあるが、どの馬も4歳春のタイミングで躓いている。一般的に競走馬が4歳秋にピークを迎えるといわれており、これを早熟と評されても仕方のないことなのだろう。
ただ、気になるのはエフフォーリアもデアリングタクトも、肉体的な衰えより精神的な問題に敗因がありそうなことだ。返し馬やパドックで落ち着きを見せた一方で、レース後の陣営からは「いいときはもう少しうるさい」という声もあり、言い換えれば闘志がなくなったという可能性も考えられる。
一見、不可解にも思える躓きのタイミングだが、反証を期待されたデアリングタクトの敗戦により、またしても疑惑を払拭することが出来なかった。もしこれが本当にエピファネイア産駒の早熟傾向によるものなら、有馬記念(G1)で復活を期待されるエフフォーリアにとっても他人事ではない。
そういう意味でも暮れのグランプリは、父の名誉を懸けた一戦となりそうだ。