【スプリンターズS(G1)予想】人気薄確定のテイエムスパーダを自信の押さえ!メイケイエールは本命止むなしも穴馬の台頭で好配当馬券をゲット
今回は秋のG1開幕戦となるスプリント王決定戦、スプリンターズS(G1)を予想していく。
まずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
セントウルS 13頭
キーンランドC 6頭
安田記念 3頭
北九州記念 2頭
高松宮記念、ヴィクトリアマイル、CBC賞、函館SS、パラダイスS(L)、朱鷺S(OP) 各1頭
となっている。本番で直近のレースになるセントウルS(G2)からの臨戦馬が圧倒的に多い。中2週となるローテーションを嫌ったのがキーンランドC(G3)からの臨戦ということになろうが、半数以上がどちらかのステップを踏んできているので、無難に狙うならこのローテーションとなるだろう。
続いて人気順の成績を見ていく。
1番人気 5-1-1-3
2番人気 2-4-0-4
3番人気 2-2-0-6
4~6番人気 0-1-1-28
7~9番人気 0-0-4-26
10番人気以下 1-2-4-64
となっている。1番人気が断然の成績。近5年でも1番人気が飛んだのは昨年の一度だけとなる。数字で見ると3番人気が今ひとつ振るわないが、現状3年連続で馬券になっているので、好走傾向にある。注目したいのは10番人気以下の馬。2年連続で10番人気が3着に入っているほか、過去10年なら13番人気が勝利した年もあるので、1番人気が信頼できるとは言え、人気薄の穴馬を軽視しない方がよかろう。
これを踏まえて「◎」は人気の中心だが13番メイケイエールとする。
前走はセントウルS。ハイペースの中前目で競馬を進め、直線で前にいた馬をあっさり交わして2馬身半差をつける完勝、さらにレコード更新のオマケ付きだった。
G1のタイトルだけは手が届かないものの、すでに重賞6勝を挙げている実績最上位の馬。2歳から3歳夏までは気性の荒さが災いしてレース中でも嫌がる素振りを見せるようなじゃじゃ馬だったが、現在の主戦である池添謙一騎手に乗り替わって以降、気の悪さは影を潜めスプリント戦線のトップクラスまで出世した。
ただ、池添騎手をもってしても昨年のスプリンターズS、今年の高松宮記念(G1)はともに出遅れが響いてあと一歩が届かずG1タイトルを逃してきた。この2戦に限らず阪神JF(G1)や桜花賞(G1)でも出遅れており、なぜかG1の舞台では出遅れが目立つ。陣営もこの点を懸念しているようで、ゲートや道中の折り合いに不安があるとしている。
とは言え、前走、2走前ともに好スタートを決めて理想的なレース展開で勝利を飾ってきた。中山コースは昨年のスプリンターズS以来となるが、この時の敗因は出遅れとはっきりしており、着差はついたが4着には来ているのでコースが合わないということはなかろう。
4年連続でセントウルSの勝ち馬が馬券に絡んでいるほか、1番人気の複勝率が7割という圧倒的なデータもある。これを考えると、馬券妙味はないが人気に逆らってハズレを引くよりは素直に押さえるべきだろう。
「○」は12番ヴェントヴォーチェを挙げる。
前走はキーンランドC。前残り傾向の中後方から競馬を進め、直線で空いた内から鋭く伸びて勝利を飾った。
昨年夏にオープン入りして以降、成績が不安定になってきてはいるが、昇級して2戦ほど凡走すると3戦目で勝つという妙なパターンがあるようで、4走前の春雷S(L)や前走が勝ちのポイントに当たっていた。G3からG1を「昇格」と見るなら凡走ターンに当たるがどうか。
陣営からは前走の勝ちに大きな収穫があったとして、順調に来ているだけに「ここでも」と色気のあるコメントが出ている。
中山コースは上記の春雷Sで経験しているが、この時の走破タイムが1分6秒8と破格で、2着を3馬身ちぎる完勝だった。相手関係は比較にならないほど強化されるが、この実績は強い相手でも通用すると思わせてくれる。強いて言うなら6枠が過去10年で2着が1回あるだけの「死に枠」なのが気になるが、それでも押さえる価値はあると見る。
「▲」は7番ウインマーベルを推す。
前走はこちらもキーンランドC。好位につける競馬で早めに上がっていって直線で前を交わしたところでヴェントヴォーチェに差され2着に終わった。
3歳のスプリント戦線はナムラクレアの活躍が一際目立っているので、他馬に注目がいかないのだが、この馬も葵S(G3)を勝っている立派な重賞ウィナー。加えて言うなら4走前のファルコンS(G3)で15着に大敗している以外は、すべてで掲示板を確保する堅実派でもある。
世代ナンバー2とまではいかないまでも、相応以上の実力があるのは確か。陣営も悪くない仕上がりということと、古馬相手に勝ちに行った前走2着は上々として期待を寄せているようだ。好走は十分期待できそうだが、持ち時計が平凡なのが気にかかるところ。これは展開次第なので、能力値では上位争い可能と見て押さえておく。
「△」は穴馬の1番テイエムスパーダと11番トゥラヴェスーラ、人気サイドの9番ナムラクレアの3頭とする。
テイエムスパーダの前走は北九州記念(G3)。果敢にハナを奪ってハイペースで逃げたが、直線で止まってしまい7着に終わった。
この馬は2走前のCBC賞(G3)の勝ちが今村聖奈騎手とセットで語られるほど鮮烈なものだっただけに、前走であっさり負けてしまって「これだけ」の馬になってしまった感がある。
だが、戦績を改めて眺めるとすでに4勝を挙げている実力はあり、前走と葵S、フィリーズレビュー(G2)では大敗しているが、逆に言うとこの3戦以外はきちんと馬券にしている堅実派である。
さらにCBC賞が48kgで逃げ切り、前走は3kg増で7着に敗れたことでカンカン泣きするイメージが付いているが、54kgまでは普通に勝ち星もあるので今回の53kgは前走からなら斤量増だが負担になるかと言われればおそらく問題ないだろう。
何より推したいのはハナに立ちたい馬が都合良く1枠1番の最内枠を引いたこと。今回はどうしてもハナを切りたい馬がいないので、出負けさえしなければあっさりハナを奪って自分のペースに持ち込める可能性が高い。実際、このレースはイメージより前残りして馬券になるケースが多い。そうであれば、この馬でも出番はあると見て敢えて押さえておきたい。
ナムラクレアの前走も北九州記念で、こちらは後ろからの競馬で直線良く伸びてきたものの、届かず3着に終わった。
言うまでもなく同世代ではトップの韋駄天娘。すでに7戦の重賞を消化しているが、馬券にならなかったのは阪神JFの5着だけで、これでも掲示板は確保している。桜花賞3着とG1での実績もあり、2走前の函館SS(G3)では古馬を一蹴して完勝した。
持ち時計も確かで、スプリント戦のポテンシャルはここで勝ち負けしておかしくない。陣営も前走はアンラッキーが重なったとして、それでも3着を確保したことを評価しており巻き返しを期している。ただ、前走と同じく今回は多頭数で中の枠を引いたことで、紛れが考えられる。その分だけ割り引いて印を落として押さえた。
トゥラヴェスーラの前走は高松宮記念で、後方待機策を採って直線内を突いて伸びてきたが、さらに内から掬われて僅差の4着となった。
この馬は成績にムラがあり、短い好調期のあとに長く不調が続くように見える。近4走で高松宮記念が2度入るがそれぞれ4着と実力のほどは示しており、その間に2走している重賞もともに2着と今は好調期に入っていると考えられる。
7歳馬なのでそれほどの上積みが見込めないことと、前走鼻出血を発症していたことでここがぶっつけになったのは引っかかる点ではあるが、仕上がっていることは陣営もコメントしているので、終いにかける1頭として押さえておきたい。
人気どころでは15番シュネルマイスターを切り。
前走は安田記念(G1)で、緩いペースから直線でよーいドンのレースとなったが、よく伸びたところで前を捉えきれず2着となった。
この馬もメイケイエールと並び世代トップクラスの短距離馬と言える。ドバイターフ(G1)では見せ場なく敗れているが海外遠征ということもあり度外視していいだろう。これを除けばNHKマイルC(G1)を制しているほか、安田記念では3歳時にも3着があり、同年のマイルCS(G1)では2着とマイルでは無敵とも言える強さ。
だが、巷間言われているようにスプリント戦の実績がない。過去10年で3頭いる前走安田記念組はいずれも安田記念より前にスプリント戦の経験があった。血統的には父キングマンは短距離でも実績を残しているが、この馬に関しては弥生賞(G2)2着もあり、マイルより長いところであれば大丈夫だが、距離短縮はマイナスになるように見える。
陣営は距離短縮もこなせると強気のコメントを出しているが、あくまで目標は次のマイルCSであることは明白。ここは負けてもとにかく通過して一叩きの効果が得られればいいわけで、メイチの勝負ではない。距離適性も併せて考えればここは切って正解だろう。
ということで、今回は1番、7番、9番、11番、12番、13番の6頭で3連複BOX20点勝負としたい。メイケイエールとナムラクレアが順当に来てもヒモで他の馬が来れば好配当にありつけるはずだ。