今村聖奈「アプローチしたい」1番人気で完敗…連敗ワースト記録も更新
9日、阪神競馬場の5Rに行われた2歳新馬戦(芝1800m)は、6番人気の伏兵マルカシャルマンが直線で差し切って優勝した。
騎乗した小沢大仁騎手はレース後、「ポテンシャルを感じていた。伸びしろもあると思う」と素質の高さを評価し、管理する浜田多実雄調教師は「芝の中距離が合うと思う」と今後の見通しについて語っている。
ノヴェリスト産駒のマルカシャルマンは、近親にオークス馬のエリンコートや、重賞勝ちのミュゼエイリアンがいる良血。来年の牝馬クラシック路線に面白い1頭が現れたといえそうだ。
その一方で、1番人気に推された今村聖奈騎手のツィスカリーゼ(牡2歳、栗東・牧田和弥厩舎)は、最後の直線で伸びきれず7着に終わった。
同馬の母は、2016年の牝馬三冠を戦い抜いたアンドリエッテ。18年にマーメイドS(G3)を勝利し、同年暮れに中央登録を抹消されて繁殖入り。リオンディーズとの間に生まれた初仔がツィスカリーゼである。
今村騎手は本馬の1週前調教に跨っており、『東スポレースチャンネル』がYouTubeにアップした動画内では「乗り味も動きも良かった。新馬戦なので私がしっかりアプローチしてあげたい」と、力強いコメントを残していた。
少頭数の9頭によって争われたレース。ツィスカリーゼはスタートを決めて道中は4番手を追走。3角過ぎからじわじわ進出すると、4コーナーでは3番手の外目まで押し上げる。
最後の直線に向くと一旦は先頭に並びかけるシーンもあったが、残り200mで勝ち馬に外から交わされると失速。ゴール前では完全に力尽きた。
「道中の立ち回りは悪くないと思いましたが、直線に入ってからの伸びは案外でしたね。ラスト1ハロンで脚が上がってしまったのを見ると、距離が若干長かったということも考えられそうです。
外の差し馬2頭で決まった展開もやや不向きでしたが、今村騎手で斤量4キロ減にもかかわらず1着馬に1秒5の差をつけられてしまっただけに、今回は完敗だったといえるでしょうか」(競馬誌ライター)
連敗ワースト記録も更新…
精彩を欠いた1番人気には、レース後のネット掲示板やSNSでも「あの位置から伸びないとは」「止まるようなペースでもなかったのに」「大物だと思ったんだけどなあ」といったやや厳しい声が上がることに。
また、一部のファンからは「ここでも連敗ストップならずか」という今村騎手を心配するコメントも寄せられていた。
先月11日にハギノメーテルで今年の39勝目をマークし、藤田菜七子騎手が持っているJRA女性騎手年間最多の43勝まであと4つと迫った今村騎手だったが、そこから足踏みが続いている。
今回のレースを落としたことで、連敗記録はデビュー以来ワーストの65になるなど、ここにきて急ブレーキだ。
「ちなみに今村騎手は、この前日までに阪神競馬場で計111回騎乗して、わずか5勝。芝レースの白星は今年6月にトーホウディアスであげた1つのみとなっています。
騎乗した時期の関係もありますが勝率4.5%は、これまで中央で騎乗したことのある競馬場のなかでもっとも低い数字。現時点ではやや苦手としているコースなのかもしれません」(同)
結局、この日は9鞍に騎乗したものの未勝利に終わったことで、連敗は71まで伸びてしまった今村騎手。ツィスカリーゼとともに早期の巻き返しを期待したいところである。