天皇賞・春「大荒れ」の準備はいいか!? キタサンブラックとサトノダイヤモンドに「重箱の隅」レベルでは不安が……やはりない?
30日に発走を控える天皇賞・春(G1)。今年はキタサンブラック、サトノダイヤモンドの2強が断然の人気を得ることとなるようだが、果たしてこの人気を額面通り受け取って馬券購入してもいいものか……。
10年連続1番人気敗退、三連単どころか三連複すら8年連続万馬券という、長距離ならではの「まぎれ」が多い同レースだけに、今年も何が起こるかはわからない。かつて今年のように「世紀の対決」といわれたメジロマックイーン×トウカイテイオーの一騎打ちは、前者こそ圧勝したが後者は5着敗退だった。
とはいえ、どんなレース、展開でもソツなく立ち回りわずかなスキすら見当たらないキタサンブラックと、圧倒的なポテンシャルでハイレベル4歳勢の頂点に立ち、昨年の有馬記念も制したサトノダイヤモンド。どちらも前哨戦を難なく突破していることから、そうそう死角は見つけられそうにない。
ただ、重箱の隅をつつくという観点でいえば、「ごく僅かな不安」は見つけることができる。
キタサンブラックは、圧勝した前走大阪杯(G1)前2週ほどの調整時、現在では非常に珍しい「坂路調教3本」を敢行している。1992年に皐月賞、日本ダービーなど、G1競走3勝(重賞5勝)を挙げたミホノブルボンを育て上げた故戸山為夫調教師は、坂路を1日に3~4本というスパルタ調教で有名だったが、それに負けず劣らずのハード調教である。しかも、現在は調教方法や坂路の距離も大きく異なる。
無論、キタサンブラックを管理する清水久厩舎はもともとハードトレを課す厩舎として知られており、実際大阪杯では見事に仕上がった状態で完勝してみせた。
ただ、その「反動」が今回の天皇賞で絶対出ない、とは限らないのではないか。天下のキタサンブラックがこれしきのことで崩れるとは考えづらいが、なんといっても天皇賞・春、なんといってもサトノダイヤモンドが相手である。最後の最後の最後で影響が出る可能性も否定はできないだろう。
そして、サトノダイヤモンドに関しても、ある意味取捨の難しい言動を、管理する池江泰寿調教師が発している。