武豊がスターズオンアースに続いて被害…若武者・坂井瑠星の「強引騎乗」に物議

坂井瑠星騎手

 22日、阪神競馬場の5Rに行われた2歳新馬戦は、1番人気のシングザットソングが優勝。後方待機からメンバー中最速の上がりで差し切り、白星スタートを切った。

 騎乗した吉田隼人騎手は「センスの良さを感じていた。切れ味がある馬です」と走りを評価。今年の牝馬二冠を制したスターズオンアースと同じ、社台レースホースが所有するドゥラメンテ産駒の牝馬だけに、今後が楽しみな1頭だ。

 そんな勝ち馬にはわずかに及ばなかったものの、クビ差の2着に好走したのが坂井瑠星騎手とセーヌドゥレーヴ(牝2歳、栗東・吉岡辰弥厩舎)のコンビである。

 同ジョッキーは先週の秋華賞(G1)でスターズオンアースを破り、スタニングローズとともに悲願の初G1制覇。これまでにJRA通算268勝を数えるキャリア7年目の25歳は、この日も1Rから2連勝を飾るなど、今もっとも勢いのある若手騎手の1人といっていいだろう。

若武者・坂井瑠星騎手の「強引騎乗」に物議

 しかし、今回のレースは最後の直線での進路取りがやや強引にも映った。

 10頭で争われた芝1600mの一戦。道中は3、4番手のインコースをスムーズに追走していた坂井騎手とセーヌドゥレーヴだったが、直線に入ってすぐに逃げ馬と2番手にいた馬が前で壁になってしまう。

 直後に外側へ活路を求めた同騎手だったが、隣を走っていた武豊騎手のマチカゼに接触。2回ほど体当たりするような形で進路を確保すると、勝ち馬とタイム差なしまで脚を伸ばしている。

 一方、弾き飛ばされたマチカゼはスピードダウンを余儀なくされると、残り100mでは再び盛り返しを見せたが、最後は脚色が一杯になり4着同着に終わった。

「正面からのパトロール映像を見た限りですが、ちょっと強引な騎乗にも映りました。

被害を受けたマチカゼはちょうどスピードに乗り始めていたところだったので、結果的にはこの不利が致命傷になってしまいました。陣営にとっても残念なレースになってしまいましたね」(競馬誌ライター)

 なお、レース後には坂井騎手に「最後の直線で外側に斜行してマチカゼを妨害した」ということでJRAから1万円の過怠金処分か下されている。

 それだけにSNSやネット掲示板などでは「ちょっと強引過ぎるんじゃないか」「新馬戦であれだけぶつけなくても」「乗ってたのが武騎手でなく若手だったら落馬してたかも」といった、今回の坂井騎手の騎乗に対してやや辛辣なコメントが寄せられたようだ。

 中には、「先週の反省がまったく見えない」といった厳しい声もあった。

 坂井騎手といえば先週、秋華賞のスタート直後に外側へ斜行し、ナミュールと接触。玉突きのような格好となり、その外にいたスターズオンアースにまで不利を与えてしまった。

 その結果、スターズオンアースは後方からの競馬を余儀なくされ、三冠を逃すことに……。最後は目の覚めるような末脚で追い上げていただけに、敗因の1つとなった不利を記憶しているファンもまだ少なくないようだ。

 この件について坂井騎手は後日、自身の公式インスタグラムに「他馬に迷惑をかけてしまったことは本当に申し訳なく思います。僕の技術不足なので反省し、同じことがないようにしていきたいです」と綴っていた。

 しかし、そのわずか6日後……騎乗5レース後に再び他馬に不利を被らせてしまったため、ネットでやや物議を醸すような事態となったのかもしれない。

「秋華賞の件は元JRA騎手の藤田伸二氏もTwitterで『一歩目やし騎手はどうも出来んしな…』などとフォローするなど、不可抗力の部分もあったかもしれません。

ただ、今回はレース終盤の最後の直線。もちろん故意ではないですが、坂井騎手としても、より何とかしたかったケースだとは思います」(同)

 この日4勝を挙げた坂井騎手は、先週のG1勝利で完全にひと皮剥けたようにも見えた。間違いなくこれからの競馬界を引っ張っていく騎手の1人と思われるだけに、さらなる精進を期待したい。

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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