ソダシ所有の金子真人オーナーが大ピンチ!? 来年のクラシック出走に暗雲漂う

 競馬界屈指の名オーナーに暗雲か……。

 22日、阪神競馬場で行われた4Rの2歳新馬は、3番人気サザーランドが逃げ切り勝ち。レース後に鞍上の北村友一騎手が「良いスタートを切れたのが勝利につながった」と振り返った通り、好スタートをきってそのままハナに立ったことが最高の結果へと結びついた。

 その一方で、1番人気のサンポーニャ(牝2、栗東・池江泰寿厩舎)の陣営にとってはショッキングなデビュー戦となってしまった。

 叔父にダービー馬ワグネリアン、姉に翌週の天皇賞・秋(G1)に出走予定のマリアエレーナがいるサンポーニャ。単勝2.3倍の1番人気に推されたのも頷けるだけの良血馬だ。

 しかし、レースではやや緩い流れを2番手で追走したにもかかわらず最後の直線で失速……。結果的には6着だったが、ハナを切ってそのまま逃げ切った勝ち馬とは、あまりに対照的な敗戦だった。

「サザーランドが逃げ切っただけでなく、2着のユリーシャも前にいた馬ですし、4コーナーで隣にいたベガリスも4着に粘っています。前にいた馬に有利な流れだっただけに、2番手から後退したサンポーニャにとっては厳しい結果になってしまいました」(競馬記者)

 サンポーニャを所有するのはディープインパクトなどに代表される金子真人オーナーだが、今年の2歳戦はイマイチ歯車が噛み合っていない印象だ。

来年のクラシック出走に暗雲漂う

 この日のデビュー戦で敗れたサンポーニャだけでなく、2億4200万円の高額馬シャザーン、3冠牝馬アパパネを母に持つ良血アスパルディーコ、重賞3勝のシャケトラの妹トラミナーはいずれも新馬戦で1番人気に推された期待馬だったが、すべて敗れている。

 その結果、今年の2歳馬はすでに合計17戦しているが、ここまでわずか1勝。所有馬が限られる個人オーナーながら毎年のようにクラシック候補を送り込む金子オーナーだが、来年のクラシックへ早くも暗雲が立ち込めている。

 前述したディープインパクトの他にも、キングカメハメハやクロフネといった競走馬だけでなく、種牡馬としても日本競馬へ大きな影響をもたらした金子オーナー。旧八大競走完全制覇、通算重賞勝利100勝超え、最近でも所有するソダシが今春のヴィクトリアマイル(G1)を制すなど、個人オーナーとしては歴代最高の成功者といえる。

 しかし、上記した馬たちがすべて3歳春にG1を勝利したように、そういった成功もデビューした所有馬たちの順調な活躍があってこそだ。

「昨年の2歳馬も勝ち上がりこそ順調でしたが、結局クラシックまで駒を進められたのはダンテスヴューの1頭だけ。春二冠では皐月賞(G1)で10着と壁に跳ね返されると、NHKマイルC(G1)に矛先を替えましたが12着に敗れています。

ソダシが桜花賞(G1)を勝って、アカイトリノムスメが秋華賞(G1)を勝った昨年と比較しても、今春はちょっと物足りなかったですね」(別の記者)

 とはいえ、まだデビューを控えている中にも、宝塚記念(G1)や天皇賞・秋を制したラブリーデイの弟トレチーメ、昨年のセレクトセールにて1億2100万円で取引された高額馬ブリスキーなど期待溢れる2歳馬たちがスタンバイしている。

 これまでも多くのクラシックホースをコンスタントに誕生させてきた金子オーナー。来年に向け、このまま敗戦続きで終わるわけにはいかない

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