天皇賞・秋の「危険」な3歳馬を一刀両断、イクイノックスは買いと消しどっち?

 今週末の東京競馬場では、秋古馬三冠の初戦となる天皇賞・秋(G1)が開催。今年の特徴は、3歳世代トップクラスの3頭が揃って参戦を表明したことである。

 先週の菊花賞(G1)を制したアスクビクターモアが、春二冠で苦戦した相手だけに、古馬相手にも通用するだけの実力を持っているといっていいだろう。ここで3歳が圧勝するようなら、今後の勢力図も大きく変わってくるはずだ。

 昨年の天皇賞・秋も3歳馬エフフォーリアが快勝したように、一線級の馬なら古馬にも通用することは、過去の歴史でも証明されている。

 とはいえ、古馬の一線級が集まる王道レースだけに、3歳勢に立ちはだかる壁は、そう低くもない。

 昨年優勝のエフフォーリアにしても、2002年にシンボリクリスエスが優勝(この年は中山開催)して以来、19年ぶりだった。その前の3歳馬の優勝も1996年バブルガムフェローとレアケース。やはり古馬が優勢であることに変わりはない。

 そこで今回は、近年の天皇賞・秋で通用した3歳馬(馬券圏内となる3着以内が対象)を振り返ってみた。以下はその一覧となる。

■天皇賞・秋で3着以内に入った3歳馬

1988年オグリキャップ(1番人気2着)無敗で重賞連勝
1995年ジェニュイン(4番人気2着)皐月賞馬、ダービー2着
1996年バブルガムフェロー(3番人気1着)朝日杯3歳S
2002年シンボリクリスエス(3番人気1着)ダービー2着、青葉賞
2004年ダンスインザムード(13番人気2着)桜花賞馬
2006年アドマイヤムーン(2番人気3着)札幌記念馬
2008年ディープスカイ(3番人気3着)NHKマイルC、ダービー馬
2010年ペルーサ(4番人気2着)青葉賞
2012年フェノーメノ(1番人気2着)青葉賞、ダービー2着
2014年イスラボニータ(1番人気3着)皐月賞馬、ダービー2着
2021年エフフォーリア(3番人気1着)皐月賞馬、ダービー2着

 こうして顔触れを見渡してみると実力派揃いの好メンバーだ。これらの天皇賞・秋以前の実績と今年のイクイノックス、ジオグリフ、ダノンベルーガに照らし合わせてみると、取捨の糸口が見えてきそうだ。

イクイノックス

 まずはイクイノックスから。皐月賞(G1)と日本ダービー(G1)でともに2着の実績は、実力最右翼といっていい。どちらも敗れたとはいえ、皐月賞はジオグリフの福永騎手の好騎乗にやられた印象も強く、ダービーも直線の進路取りでスムーズさを欠いてのもの。東京コースは、2歳時の東京スポーツ杯2歳S(G2)を圧勝しているのも心強い。

 ダービー2着馬もジェニュイン、シンボリクリスエス、フェノーメノ、イスラボニータ、エフフォーリアの例があるなら問題ない。やはりこの馬が3歳で最も勝負になりそう。

 続いてジオグリフはどうだろうか。こちらも皐月賞馬という意味ではジェニュイン、イスラボニータ、エフフォーリアと同じだが、決定的な違いがあるとすれば、日本ダービーで7着に完敗していることだ。先述した馬は皐月賞馬というだけでなく、ダービー2着だったことを考えるとスケールで見劣りは否めない。持病である喉鳴りも走ってみないと分からない怖さもある。

 最後にダノンベルーガだが、強調できる材料は共同通信杯(G3)でジオグリフ相手に完勝したという点のみ。皐月賞もダービーも、勝ち馬から決定的ともいえる2馬身以上の差をつけられたのは痛恨。どちらもアスクビクターモアとクビ差の接戦だったように、イクイノックスやジオグリフに比べると分が悪い。

 あくまでデータ的な観点での結論とはなるが、G1勝ちがなくてもクリアしたイクイノックスのみ。残りの2頭は、割り引いた方がいいのかもしれない。

黒井零

1993年有馬記念トウカイテイオー奇跡の復活に感動し、競馬にハマってはや30年近く。主な活動はSNSでのデータ分析と競馬に関する情報の発信。専門はWIN5で2011年の初回から皆勤で攻略に挑んでいる。得意としているのは独自の予想理論で穴馬を狙い撃つスタイル。危険な人気馬探しに余念がない著者が目指すのはWIN5長者。

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