福永祐一「不屈のプロ根性」!連日のアクシデントに見た名手の凄み
30日、東京競馬場で行われた5Rの2歳新馬は、福永祐一騎手の1番人気エメリヨン(牝2、美浦・加藤士津八厩舎)が中団から差し切り勝ち。米G2馬を母に持つ良血が見事な初陣を飾った。
14頭立て芝1800mのレース。好スタートを決めたエメリヨンは、道中で中団外目を追走する。絶好の手応えで最後の直線に入ると、先に内から抜け出していたセイウンパシュートを外から交わし、最後は2着まで追い上げてきたココクレーターの猛追も封じ切った。
ビッグレースで無いにもかかわらず、ゴール後には勝利したエメリヨンと福永騎手へ観客席から大きな拍手が沸き起こった。結果だけ見れば1番人気が順当に勝利しただけにも映るが、実はスタート前にちょっとしたアクシデントがあったのだ。
「人気を集めていたエメリヨンですが、発走前には何度もゲート入りを嫌い、他馬を待たせる場面がありました。挙句の果てに自ら大きく立ち上がり後方へ転倒すると、鞍上の福永騎手を振り落としてしまう事態に……。一歩間違えれば、競走除外になっても不思議ないアクシデントでしたよ」(競馬誌ライター)
幸い人馬共に怪我はなく、その後エメリヨンは目隠しをして枠入りを済ませると、そのまま無事にスタート。発走前には落ち着かない様子を見せていたものの、レースは何事もなかったような快勝劇だっただけに、観客も大いに沸いたというわけだ。
また福永騎手にいたっては、同日の天皇賞・秋(G1)で皐月賞馬ジオグリフの鞍上を任されていただけあって、振り落とされた際に肝を冷やしたファンも多かったのではないだろうか。激しく地面に叩きつけられたにもかかわらず、その後も冷静に対応して勝利へと導くのだから恐れ入る。
「不屈のプロ根性」に絶賛の嵐!
「実は福永騎手には前日にも似たようなことがありました。阪神の1Rでショウナンアキドンに騎乗していましたが、スタート直後に落馬してしまい競走中止に……。ここでも幸い怪我はなく、直後の2Rで予定通りパラシュラーマに騎乗すると、すぐさま勝利に導いていましたよ。福永騎手の並々ならぬタフさと責任感の強さを感じました」(同)
連日のアクシデントに見舞われたものの、その直後にはいずれも騎乗馬を勝利へと導いた福永騎手。ネットの掲示板やSNS等でも「さすが福永」「本物のプロだ」など、ファンからは称賛の声が上がっていた。
いくら体が無事だったとはいえ、落馬の直後でも冷静さを保ってすぐさま勝利できるのは、福永騎手が名手と言われる所以だろう。改めてトップジョッキーの凄さを目の当たりにした週末だった。